2018年7月に入り、多くの3月期末決算の企業が決算情報を公開しています。そこで、上場している不動産企業106社(※)を対象に、売上高をランキング形式で発表します。
前年期の売上を集計している「不動産企業 売上ランキング 2017年6月期」もご参考ください。(リビンマガジンBiz編集部)
(※)編集部基準
(画像=写真AC)
上位大手は微増 着実に業績伸ばす
ランキング1位は三井不動産で、今期売上は1兆7,511億円でした。前年期売上は1兆7,044億円と、わずかながら増収しています。不動産分譲事業の内、投資家向けの収益不動産や海外住宅の分譲が大きく伸長しています。同社は今後も海外事業に力を入れていくと見られます。
2位は三菱地所で、今期売り上げは1兆1,940億円でした。こちらも前年期売上1兆1,254億円から686億円の増収です。同社の所有するビル・オフィス・商業不動産の賃料収入が低い空室率にともなって好調に推移しました。また、丸の内を中心とした大型な再開発プロジェクトも進んでおり、将来的なの収益に大きく寄与することが期待されています。
3位は住友不動産で、今期売り上げは9,484億円でした。前年期売上から+232億円とこちらも微増です。東京を中心とした新規オフィスビルの開発や、リフォーム事業が売上に貢献しています。また、平成31年に竣工予定の渋谷宇田川町計画や、秋葉原駅前計画など、大規模な新規ビル開発計画も好調に進捗しています。
市場全体で売上増収傾向 しかし格差の基調あり?
今回集計した106社の合計売上は10兆1,142億円となり、全年期の合計9兆4,350億円に比べて1.07倍伸びています。
その一方で、「不動産企業 売上ランキング 2017年6月期」では、集計した105社のうち、売上が低下したのは14社となっていたのに対し、今回は106社中19社の売上が減少していました。減収企業が増える一方で、増益企業はより売上を伸ばすといった格差が生まれている傾向が次第に現れているようです。
最も上昇率が高かったのはパルマで、前年期売上11億円に対し、今期23億と前年期比216%でした。都内を中心としたトランクルームの開発・販売が順調に進捗し、それに伴った主力事業であるトランクルームの滞納保証事業も堅調に推移しました。
次いで上昇率が高かったRISEは、前年期売上2億円に対し、今期5億円と、前年期比209%と、こちらも2倍以上上昇しました。同社は保有していたホテルを売却したことによって売上を伸ばしましたが、現在はパチンコ店と保育施設2件の賃料収入が主軸事業になっており、経常利益では1.4億円の赤字を記録。新しい事業戦略を模索しています。
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