不動産業を行っている上場企業110社(※)の社長を対象に、出身大学を多い順にランキング形式で紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)


※編集部基準

(画像=写真AC)

集計方法

・18年2月期までに報告されている上場企業の決算書・有価証券報告書、企業HPや情報サイト、調査会社などの報告を元に制作

・出身者が多い大学をランキング形式に紹介

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出身大学1位は慶應義塾大学

1位は慶應義塾大学で、出身者は11人でした。

同大学の卒業生からなる日本最古の同窓会三田会は、政財界にひろがる強力な組織です。不動産業界にも不動産三田会があり、毎月の月例会では会員限定の情報が交換されています。ビジネスチャンスが生まれやすい環境が、独立の手助けやキャリアアップにつながっているのかもしれません。慶應大学出身の社長は今回集計した110社のうち10%を占めています。

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(画像=Futta.Net)

2位は、東京大学で10人でした。

我が国の最難関大学だけあり、上位にランクインしました。東大出身の赤門閥は高級官僚や研究者に多いといわれます。もちろん経済界でも大きな存在感をみせています。同大学は、三井不動産・三菱地所・住友不動産といった旧財閥系の不動産会社社長が多い傾向にありました。狭き門をくぐり抜け東大を卒業した人たちが、巨大組織の出世争いにも勝利しやすいのでしょうか。全体の9%を占めました。

同率の3位は、日本大学明治大学で、5人でした。

2017年10月に東京商工リサーチが発表した『2016年「全国社長の出身大学」調査』において、日本大学は在校生22,135人と、2位の慶應義塾大学(10,890人)と比べて2倍以上の差をつけて1位でした。同大学は、在校生数が74,712人と日本一のマンモス校です。卒業生が多いことから社長の数も多いものと考えられます(2017年5月1日時点)。「日大生はエリート意識が薄く、どんな仕事にも取り組む」といった評価もあります。また卒業生の数が多いため、あらゆる会社に出身者がいることは、人と人のつながりがものをいう不動産業界でも有利なのかもしれません。

明治大学も、31,004人と卒業生が多く(在校生数ランキング5位)、日本大学と同様に社長が多い傾向にあるようです(2017年5月1日)。両大学ともに全体の4.5%でした。昨今、最も就職に強い大学として、教育界では知られています。また、最近では女性タレントの出身者が多く、女子学生にも人気の大学となっています。かつては運動部を中心にOB・OGによるリクルーターによって入社し、ガッツあふれる仕事ぶりで活躍する卒業生が多いイメージがありました。厳しい不動産営業の現場でも力を発揮する人材は多いのかもしれません。。

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不動産業界社長はどの学部が多い?

では、学部はどこが多かったのでしょうか。

まずは、学部が分かった77人を対象に文系と理系の比率を見てみましょう。

不動産業界社長 文系・理系比率

77人のなかで、15名(全体の19%)が理系出身者でした。

ゴールドクレスト安川氏(東京大・工学部)、セントラル総合開発田中氏(東京大・工学部)、ロードスターキャピタル岩野氏(東京大学・農学部)と、理系学部出身者の中では東京大学出身者が最も多いことも分かりました。

では、学部別でも見てみましょう。


不動産業界社長 出身学部グラフ

業界や業務との親和性が高い学部が多い結果となりました。

法学部は、77人中19人と全体の約25%を占めました。当然のことながら、不動産業を行う上では民法をはじめとした各法律の知識が必要不可欠です。次いで経済学の18人で全体の約23%でした。不動産市況は景気や経済の指標となっています。住友不動産の仁島氏やNTT都市開発中川氏も経済学部出身者です。会社の経営判断に経済学の知識は役立っていると考えられます。この2学部で全体の約半数を占める形となりました。

どの企業でも出身大学のつながりを重視する学閥の影は薄くなりつつあると言われています。今回の調査でも、他業界に比べても目立った特徴はありませんでした。出身大学よりも、入社後の仕事ぶりが大切なことは言うまでもありません。物件情報のやりとりなどで、人脈がものをいう不動産業界でも同様の傾向がみえるのかもしれません。

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