不動産関連のサービス業を行っている23社(※)を対象に、売上成長率をランキング形式で紹介します。以前公開した「不動産企業 売上ランキング」では、不動産業界全体の売上は前年比で1.09倍伸びていました。不動産関連サービス業界も呼応して伸びているのでしょうか。(リビンマガジンBiz編集部)
注:編集部基準
集計方法
・2018年3月時点に公表されている各企業の有価証券報告書より集計
・前年の売上と比較し、成長率を%(パーセント)にて表記
1位はエスクロー・エージェント・ジャパン。売上成長率150%超
ランキング1位は、エスクロー・エージェント・ジャパンで、売上成長率は159%でした。同社は、不動産取引の保証(エスクローサービス)や金融機関からの業務受託(BPO業務)を行っています。2017年には、不動産取引における非対面決済サービス「H’OURS」の提供を開始し、遠方や遠隔地での不動産取引の円滑化を図っています。
2位は人材や不動産サイトの一括検索サービス展開するじげんで、150%でした。同社が運営する賃貸物件検索サイト「スモッカ」は、SUUMOやアットホームといった物件情報サイトをまとめたサイトで、掲載物件数は470万件以上(2018年3月現在)と、業界でも上位の掲載数です。年々反響数が増加しており売上が伸びました。
3位は、投資物件情報サイトを運営するファーストロジックで、141%でした。
同社が運営する「楽待」は、不動産投資物件に特化した物件情報サイトです。売上増加の要因は、ユーザーに向けての広告を拡大し、会員数が増えたことです。それに伴った不動産会社への営業活動によって掲載件数が増えることで、手数料収入が伸びました。
不動産関連サービス業界は拡大中
ランキングに掲載した23社平均で売上成長率は113%と、不動産業界よりも高い成長率でした。その要因に、各不動産会社の提供するサービスが増えたことや、業界が抱える諸問題があると考えられます。
不動産業界は、これまでの仲介や管理といった業務だけではなく、プラスアルファの部分に価値を見出し始めています。例えば、不動産売買における相続対策のコンサルや、賃貸入居者への付加価値サービスなどです。そういった部分を不動産関連サービスによって補うことで、他社との差別化を図っています。
また、これまで時間がかかっていた作業の率化や、人手不足の解消といった問題解決においても、不動産ポータルサイトでの集客や業務支援サービスが活用されており、業界は今後も拡大していくと考えられます。