折り込み広告やポータルサイトへの物件掲載にくわえ、ブランディングなど、不動産会社において宣伝・広告は非常に重要です。不動産業を行っている上場企業66社(※)を対象に、広告宣伝費をランキング形式で紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注1:編集部基準
■集計方法
・2016年10月期~2017年9月期までに公表されている各企業の有価証券報告書より集計
・広告宣伝費及び、販売促進費などが明らかになっている企業をランキング化
・連結発表の企業は、連結した金額で発表
■上位は財閥系占める 業界全体でも広告費は増加
上位は財閥系企業が占める結果になりました。
1位の三井不動産は広告宣伝費232億円、2位の野村不動産ホールディングスは214億円、3位は住友不動産で192億円でした。
上位のどの企業も自社ブランドの分譲マンションを展開しています。三井不動産の「パークシティ」「パークタワー」、野村不動産ホールディングスの「プラウド」、住友不動産の「シティハウス」「シティタワー」などは、いずれも都心部に構える高級マンションです。高級なイメージを前面に出した広告やテレビCMを精力的に行っています。
また、不動産企業全体が人手不足の状況においては、人材確保のための会社そのものを紹介するブランディング広告に予算をかけている企業も多くあります。
ランキングの上位企業だけでなく。不動産業界全体で広告費は増加傾向にあるようです。今回集計した66社全体平均で、前年よりも広告費が約21%増加しています。
■売上における広告宣伝費率が高い企業は?
広告宣伝費だけではなく、売上に占める広告宣伝費率が高い企業もしらべました。
広告宣伝費率TOP10
(画像=リビンマガジンBiz編集部)
1位のハウスドゥは、売上168億4,800万円に対し、広告宣伝費は11億2,000万円で、広告宣伝費率は6.6%でした。2位のスターツコーポレーションでは売上1808億700万円に対し、広告宣伝費は109億2,200万円と、6.0%の比率です。
ハウスドゥは不動産売買のFC(フランチャイズ)事業、スターツコーポレーションは賃貸のFC事業を展開しており、一般のエンドユーザーだけではなく、FC加盟店のブランディングが必要であるため、広告宣伝費率が高い傾向にあると考えられます。
広告費ランキングでは企業規模が大きい会社が上位を占める傾向にある一方で、比率を見ると顔触れが変わり、各社の事業によって広告宣伝費の重要度も変わることが分かります。