「住宅建設業界 平均役員報酬ランキング」に続いて、住宅関連の建設業を行っている37社(※)を対象に、役員の平均報酬額と社員平均年収の差をランキング形式にて発表します。(リビンマガジンBiz編集部)
※注1:編集部基準
■集計方法
・2016年10月期~2017年9月期までに公表されている各企業の有価証券報告書より集計
・対象は取締役(監査等委員会設置会社の監査等委員も含む)、執行役の報酬と従業員の平均年間給与 ※監査役設置会社の監査役や社外取締役の報酬額は除く
・役員報酬の内容は、基本報酬、ストックオプション、賞与などを合算
※連結報酬等の報酬に関しては、公開されいる範囲での金額を合算し、役員報酬の総額としています。
・役員報酬の合計を対象となる役員の員数で割り、一人当たりの平均役員報酬を算出
・平均役員報酬が、従業員平均年間給与の何倍になるのかをランキング化
■収入差10倍超は3社。平均年収差は不動産業界より高く
役員と社員の年収差が10倍以上の企業は3社でした。1位の東建コーポレーションは、従業員の平均年収611万円に対し、平均役員報酬は1億2,925万円と21.2倍差でした。2位の大東建託は従業員892万円に対し、役員1億1,910万円で13.4倍差、3位の積水ハウスは従業員892万円、役員8,200万円で10.1倍差でした。
不動産業界の役員と社員の収入差を出した「不動産業界 役員と社員の収入差ランキング」では、収入差10倍超えの企業が6社だったのに対し、住宅建設業界の10倍超は3社となりました。
しかし、ランキング掲載企業全ての、役員と社員の平均収入差は5.4倍と、不動産業界の4.5倍よりも格差が開いている傾向にあります。
両業界の役員報酬平均を比べると、不動産業界平均は3,015万円、住宅建設業界は3,364万円と11%ほど住宅建設業界の方が高いことが分かります。
一方、社員の平均年収は不動産業界が658万円、住宅建設業界595万円と、こちらは不動産業界が10%ほど高いことが分かります。住宅建設業界は不動産業界に比べ、「役員報酬は高く社員年収は低い」傾向があるようです。
■格差際立つ役員別報酬との収入差
有価証券報告書には報酬額が1億円以上の役員に関しては、名前や役職・額面が明記されています。「住宅建設業界 平均役員報酬ランキング」でも発表した、「住宅建設業界 役員別報酬額TOP10」と社員の平均年間給与を比較します。
住宅建設業界 役員別報酬額TOP10と従業員平均年収との収入差
(画像=リビンマガジンBiz編集部)
収入差が40倍を超える企業があります。
不動産業界での同比較では、30倍以上の企業が3社(最大34.1倍)だったのに対し、住宅建設業界はTOP10のうち、半数の企業が30倍の差があります。最も差が大きかったのはタマホームで、玉木康裕会長の報酬額3億円に対し、社員の平均収入が636万円と47.2倍もの差がありました。
人手不足問題などを背景に、建設業界では人材の育成や確保を推進しています。2月8日に厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査結果」では、建設業就業者に支払われた月間平均給与額が前年比0.5%増で、5年連続増加していることが分かりました。また、時間外労働や休日出勤を減らす動きを推進しており、今後は賃金上昇と働き方改革の両立を目指しています。
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