不動産会社105社(※)を対象に、平均役員報酬を集計しランキング形式で発表します。役員報酬は、自社の業績に連動しているケースが多く、会社の業績を測る一つの指標になっています。(リビンマガジンBiz編集部)
※注:編集部基準
「住宅建設業界 平均役員報酬ランキング」はこちら※1月25日追記
■集計方法
・2016年10月期~2017年9月期までに公表されている各企業の有価証券報告書より集計
・対象は取締役(監査等委員会設置会社の監査等委員も含む)、執行役の報酬
※監査役設置会社の監査役や社外取締役の報酬額は除く
・報酬内容は、基本報酬、ストックオプション、賞与などを合算
・役員報酬の合計を対象となる役員の員数で割り、一人当たりの平均役員報酬を算出
■平均額1億円越えの企業は2社
1位の住友不動産は、一人当たり平均で1億2,345万円、2位の三井不動産も1億11万円と1億円を上回りました。住友不動産は、既存ビルやオフィス事業、分譲マンション事業といった好調な事業の結果が反映されています。三井不動産も同様に、オフィスビルの賃料の増加や、住宅流通、新規物件開発が伸長しています。
全業種を見ても、平均役員報酬が1億円を超えている企業は、毎年50社前後ほどしかありません。両社とも、堅実に業績を伸ばしている企業であると考えられます。
しかし、役員報酬は平均額が支払われているわけではありません。多くの場合、株式総会などで全体の役員報酬額が決まり、そこから分けられています。また、有価証券報告書には報酬額が1億円以上の役員に関しては、名前や役職・額面が明記されています。
その情報をもとに、不動産業界役員別報酬額TOP10を作りました。
【不動産業界役員別報酬額TOP10】
(画像=リビンマガジンBiz編集部)
上記のランキングでは、1位はシーアールイーの山下修平会長で、報酬額は2億2,800万円でした。シーアールイーの役員報酬の全額が3億7,100万円であることから、全体の60%以上が山下氏に支払われていることになります。
7位のゴールドクレスト安川秀俊社長は1億6,800万円でした。同社の役員報酬額が1億8,500万円であることから、全報酬額の90%以上が安川氏への報酬になっています。
このように各企業が、役員個人に支払う金額と平均金額には大きな乖離がある場合があります。
欧米では、高額な役員報酬が社会的な問題として指摘されています。日本も同様に、不相応に高額な役員報酬が顕著になってきています。
2月1日に公開した、「不動産業界 役員と社員の収入差ランキング」では、各社の従業員の平均年収と平均役員報酬を比較し、どれほどの格差があるのかを紹介しています。
不動産企業全体の平均役員報酬額は3,000万円でした。