上場している不動産企業106社(※)を対象に、従業員一人当たりの営業利益を算出しました。企業の資源である従業員がどれだけ成果を生み出しているかは、企業の実力を測るひとつの指標です。一人当たりの営業利益が高いほど、従業員の貢献度が高いことを表しています。(リビンマガジンBiz編集部)
※編集部基準

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(画像=写真AC)

■上場企業の中でトップのアルデプロ

1位となったのは、中古ビルや中古マンションに付加価値を付けて投資家に販売するアルデプロでした。従業員一人当たりの営業利益は2億1,468万円と、全上場企業で唯一2億円を超えました。

同社は2008年から2013年の間に業績が悪化し、数回にわたる債務超過に陥りながらも再び復調しました。東京の都心部や関西を中心に不動産の転売が好調でした。

また、旧耐震のビルやマンションを買い取り、権利関係を調整して建て替え・用地化する事業も伸長しました。これは、現在の不動産業界における二つの大きなトレンドをつかんでいます。ひとつは、マンションの老朽化よって規制緩和された「容積率緩和特例」です。もうひとつは、海外からのインバウンド需要が拡大する中で2016年に施行された「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度」を活用できていることが要因だと考えられます。

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■首都圏・都心部中心の企業が伸びる

また、都心回帰の流れを象徴するように、首都圏や関西圏の中心部で事業を展開している企業が上位を占めました。

土地や建物の賃貸事業が主業の京阪神ビルディング(3位)は、大阪をメインとした既存ビルが安定した賃料収入を稼ぎ出し、首都圏で取得した新規施設の稼働率も好調です。

4位の資用ワンルームマンション開発・販売のアーバネットコーポレーションも、東京23区内で駅から徒歩10分内に限定した物件に特化しています。6位のヒューリックも、需要の高い首都圏ビルや商業施設の賃貸に特化し高利益を出しています。

2017年11月には、名古屋や川崎市、神戸といった都市部での再開発による容積率の緩和が検討されていることが報じられており、今後さらなるビジネスが創出されることが予想されます。

投資効率の良い都市部・中心地に、事業を投下した企業が高い営業利益を上げている傾向が分かりました。

■従業員一人当たり営業利益の算出方法

調査対象企業
・上場している不動産企業106社(編集部基準)

2016年7月期~17年6月期までに報告されている各企業の決算書・有価証券報告書に記載されている営業利益を従業員数で割り算出しました。

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