誰もが知っている大きな公園から、子供の頃遊んでいた小さな公園まで、都内には膨大な数の公園があります。公園の歴史や背景を調べてみると、ひとつひとつに興味深いエピソードや逸話があるようです。
今回は世田谷区にある「用賀くすのき公園」を現地調査しました。(リビンマガジンBiz編集部)
東急田園都市線「用賀駅」前に建つ通称「用賀ビル」は地上28階、高さ120mにもなる街のシンボルです。用賀住民によれば、「遠く離れた場所にいても用賀ビルを見ることができる、ビルが見えれば自分たちの街がどこにあるかわかるのは嬉しいよね」とのこと。なるほど、まさに街を象徴する存在です。
用賀ビル周辺は、「世田谷ビジネススクエア」と呼ばれる複数の大小ビル群が用賀駅に接続しています。都心から少し離れたオフィス街として、1993年にこの一角は竣工されました。
さて、そんな「世田谷ビジネススクエア」の周辺に「くすのき公園」と呼ばれる公園があることをご存知でしょうか?本日は用賀駅から近い「くすのき公園」を紹介します。
地元のお祭りといえば「くすのき公園」!
ご覧の通り、「くすのき公園」は、「公園」と呼ばれているのになにもありません。特徴的なピラミッド型の建造物があるのみです。そのピラミッドにちなみ、通称「三角公園」なんて呼ばれているようです。
普段は、駅へと続く動線になっているので人の行き来は多い場所です。昼になると子どもたちが集まってボール遊びをしたり、このピラミッド型の建造物の頭頂を目指して登ろうとしている姿をよく見かけるようです(未だに頭頂部まで到達した人を誰も見たことがないとか…)。
この「くすのき公園」はなにもないのが特長です。
ところがこの「くすのき公園」、地元用賀の住民なら知らない人はいない、と言っても過言ではないほど有名な公園なのです。本当は「単なる広場」ではないのです。
ピ〜ヒャラ♪ ピ〜ヒャラ♫ ピ〜ヒャララ〜♬
そうです。実はこの公園、地元のお祭りのメッカなのです。ちょうど取材に行った日はお祭りが開催されていました。
この日開催されていたのは用賀商店街振興組合主催の、年に一度開催されるお祭り、「SUMMER STAGE2017」。地元商店街の店舗さんが一同に集まって開催される定番のお祭りのようです。
飲食ブースにステージ、豪華賞品も当たる抽選会など、聞いただけで楽しくなりそうなお祭りでした。このお祭りは週末の開催ではなく、毎年水曜日と木曜日に開催されるそうです。その理由は水曜と木曜が定休の商店が多いかららしいです。なるほど、確かに商店街さんは土日も営業していますよね、納得です。
他にもこの「くすのき公園」では、8月26日(土)〜27日(日)に地元の若者達が中心となって開催されている「YOUGA SUMMER FESTIVAL」も予定しています。
このお祭りは、地元の大学生や若者達が集まって、有志で開催をされているとのこと。今年で13回目の開催となる伝統的なお祭りとなっています。今年のYOUGA SUMMER FESTIVALのコンセプトは「パワフルでカラフルな2DAYS」、当日は音楽ステージや飲食ブース、子供も楽しめるゲームコーナーやワークショップも予定しているそうですよ。
「くすのき公園」は普段、単なる通り道としての利用が多い公園ですが、お祭りの日ともなれば沢山の人が集まる、地元の人々にとってゆかりの深い公園でした。
お祭りになると、なんと1日で約1万人以上も集まる時もあるようです。「何もない」「単なる広場」であることが、この公園の最大の魅力ということですね。
「くすのき公園」はベンチもあってゆったりできるスペースもあります。是非お近くに来た際は寄ってみてくださいね。
【用賀くすのき公園】
・所在地
東京都世田谷区用賀4-9-10
・開園日
常時開園
・交通
東急田園都市線「用賀」駅から徒歩約2分駐車場(有料)
・問い合わせ先
TEL: 03-5432-2295
砧公園サービスセンター
世田谷区公園緑地課