元々は工場地帯だった武蔵小杉エリア。しかし、最近はタワーマンションが立ち並び、街の雰囲気が一気に変貌しています。住みたい街ランキングにも上位に入り、人気のエリアとなりつつありますが、そもそもなぜ、武蔵小杉にタワーマンションが乱立したのでしょうか。
■武蔵小杉が選ばれる理由
元々は工場が多く、以前はあまり魅力的なイメージがなかった武蔵小杉。しかし、最近は続々とタワーマンションが立ち並び、一気に住民が増えました。新しい施設も増え、住みたい街としての人気もうなぎ登りの武蔵小杉。一体なぜ、急にタワーマンションが乱立したのでしょうか。
広大な跡地
武蔵小杉エリアには、元々広大な工場が多数ありました。沿線には今でも、キヤノンやNECなど、製造の大企業の本社が存在します。しかし、各企業が製造を海外に移動していく中、工場が次々と移転していきました。すると、空いた広大な土地に続々とタワーマンションが建設されるようになったのです。
交通のアクセスがバツグン!
マイホームの購入を考える時、交通の便を一番に考える人は多くいます。特に共働き世帯の場合、夫婦ともに職場へのアクセスを考えるので、他の要素を削ってでも利便性の良い駅であることを重要視する人は少なくありません。武蔵小杉は、バツグンの交通アクセスにより、そんな共働き世帯に特に人気があります。JR横須賀線や湘南新宿ラインが停車するため、東京、新宿、品川といった、主要なターミナル駅に乗り換えなしでアクセスできます。また、東急東横線の特急が停車するため、乗り換えに便利な渋谷や中目黒、オシャレな街・代官山や自由が丘といった人気エリアも数分で到着します。
続々登場の新スポット
2013年にオープンした「武蔵小杉東急スクエア」を皮切りに、武蔵小杉エリアには続々と注目の新スポットがオープンしています。ららぽーとのコンパクトバージョンといわれる三井ショッピングパーク「ららテラス」、セブン&アイホールディングスが次世代型大型店として開業した「グランツリー武蔵小杉」など、利便性の良いお店が多数集まっているのも魅力です。
■まだまだ発展途上!?武蔵小杉の問題点
住みたい街として人気が出てきたものの、急速な発展によって、少しずつほころびが見え始めています。現在、どのような問題を抱えているのでしょうか。
好アクセスが、仇に…
タワーマンションが1棟建つと、その地域には一気に数千人の人口が増えることになります。当然、乱立すればする程、人口が過密になります。電車へのアクセスが良い家を選んでいるということは、当然その電車に乗って出勤する人が多いということ。ラッシュ時には改札に行列ができ、狭いプラットフォームには乗車を待つ人がひしめき合って、なかなか電車に乗れないというケースも。駅周辺のインフラ整備も追いついていません。駐輪場は慢性的な満車状態が続き、放置自転車問題が発生しています。また、住宅地から駅に続く道は細い道路が多く、歩道も十分ではないため、安全が疑問視されます。
保育園がない!小学校が狭い!
都心よりは安価にタワーマンションに住めるとあって、武蔵小杉の住宅は特に子育て世代に人気があります。つまり、子どもが産まれると、その子たちは保育園や小学校に入るということです。2015年の時点で、武蔵小杉のある中原区は、人口増加率が10年で5.8%。その分、待機児童問題も深刻です。小学校も校庭を潰して新校舎を建てるなど、対応に追われています。
安心して暮らせる、ゆとりある子育てができる街、となるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。