最近、社会的に大きな問題となっている空き家。その一方で、高齢者は家が借りづらいという状態も続いています。両者を結びつける、空き家の高齢者住宅活用について、ご案内します。
■空き家の高齢者住宅活用は将来性が高い
現在、社会問題となっている空き家。また、同じく高齢化社会も大きな社会問題となっています。両者の活路になるかもしれない、と言われているのが、空き家を高齢者住宅として活用するということ。2025年問題を前に、空き家の高齢者住宅活用が注目されています。
放置空き家の活用
日本は、高齢化問題を抱えています。最も深刻になるのが、団塊の世代が75歳になる2025年。しかし、高齢者向けの施設については、まだまだ整備が追い付いていない状況です。政府は、高齢者向けの医療体制や住宅設備の整備などに追われています。
その一方で、社会問題となっている、放置された空き家。高齢の親族から引き継いだものの、活用方法がなく放置され、周囲の環境低下などを招いています。
この両者を結び付けるのが、空き家を高齢者住宅に活用するという方法です。
高齢者向け住宅は、需要が高い
現在、日本の人口のうち、4人に1人が高齢者です。この比率は上昇し続け、平成47年には3人に1人が高齢者になると言われています。つまり、高齢者向け住宅は、一般的な住宅よりも需要が高いのです。
現在、賃貸住宅は過密状態にあると言われています。使わない空き家をただ貸し出すだけでは借り手がつく可能性も低く、改築するには資金もかかります。
その点、高齢者向け住宅は需要も高く、バリアフリー化や手すりの設置など、一定の改築には国や自治体からの補助金が出る可能性もあります。
高齢者住宅は、実は将来性がとても高いのです。
■住宅セーフティネット法
住宅を借りたくても独力では借りられない人のために、今年の2月に、住宅セーフティネット法という政策が閣議決定されました。一体、どのような政策なのでしょうか。
空き家を登録すると、借り手とつないでくれる
高齢者や生活保護受給者など、年収の少ない世帯や生活の安定しない世帯では、住宅を借りることが困難です。特に高齢者は、孤独死などのリスクもあるため、一般的な賃貸物件には入居できないケースも多く発生しています。こういった人たちは、あまりキレイな家でなくても、低価格で安心して暮らせる家が借りたいと感じています。
その一方で、親族から受け継いだ空き家など、まだまだ使える状態だけど借り手が見つからない不動産を持て余している人も数多くいます。税金もかかる上、人が住んでいないと家はどんどん傷むため、低価格でもいいから借りて欲しいと感じています。
この両者を結ぶのが、住宅セーフティネットです。
現在は民間の活動が一般的
住宅セーフティネット法は、まだ閣議決定されたばかりのため、現時点で実際に動いているのは、民間主体のものになります。対象となる要件を満たした住宅なら、高齢者などが入居しやすい施設になる設備を設置するための補助金が受けられます。詳細は、各自治体などに確認してみましょう。