土地を購入しての賃貸経営は、初期投資金額が多くかかります。一方で、定期借地契約を利用して賃貸経営を行えば、初期投資金額を大幅に抑えることができます。定期借地契約を利用しての賃貸経営には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

■定期借地権を知ろう

定期借地契約を利用して賃貸経営を行う場合、土地オーナーから定期借地権で土地を借りる手段が一般的です。定期借地権にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴を確認してみましょう。

一般定期借地権

 長期的に土地を借りたい時に利用する借地権です。50年の存続期間が満了したら、借地権が消滅します。建物の用途は限定されていないため、コストのかかるマンションを建設する時などに利用されます。契約満了後には、建物を取り壊して、更地状態にして返却します。

事業用定期借地権

 事業のために土地を借りる場合に使用する借地権です。この契約では居住用の建物は建てられないため、賃貸経営の借地契約には向いていません。期間は10年以上50年未満で、契約満了後の物件買取り請求は認められていません。

建物譲渡特約付借地権

 契約満了後、建物を土地オーナーに譲渡する契約の借地権です。契約期間は30年以上で、契約更新はありません。一般的な賃貸経営は、この契約を結びます。土地を借りた側は、マンションやアパートを建てて賃貸経営が行えます。契約が満了したら土地オーナーが物件を譲り受け、賃貸経営をしていくケースが多くみられます。

■建物譲渡特約付借地契約での賃貸経営、メリットとデメリット

賃貸経営の場合、建物譲渡特約付借地契約を結ぶことが多いようです。では、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

 借地権での賃貸契約において、最大のメリットは、土地の購入金額がかからないことです。賃貸経営を行う際、土地の購入は大きな負担となります。当然初期投資額も大きくなるので、経営を躊躇してしまうことも。その点、借地での賃貸経営は、初期の土地代がかからず建物の建築費のみで賃貸経営を行うことができるので、投資費用が少なく済み、手元に残る利益も大きくなります。

また、更地にして返す必要もないので、取り壊しにかかる費用も必要ありません。

デメリット

 建物譲渡特約付借地契約では、契約終了後に建物を土地オーナーに譲渡しなくてはなりません。せっかく建てた建物も手元に残らず、資産を残すことができません。また、毎月土地オーナーへの地代の支払いが発生します。もし経営が悪化すると、大きな負担になることも。

 賃貸経営は長いスパンでの経営が求められます。手残りが多くなるよう、きちんと計画を立てましょう。

 
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