生計を同一とする家族であっても、現金や不動産などの財産を贈与すると、税金がかかるケースがあるのをご存じですか?財産贈与をする時、どんなケースで贈与税がかかり、どんなケースで非課税なのでしょうか。

 

■贈与税の課税・非課税

 同じ屋根の下で暮らす家族であっても、財産の贈与によって、そのやりとりに税金がかかることがあります。非課税になるものには、どのようなものがあるのでしょうか。

 

贈与税がかからないもの

 贈与税は、個人から財産を贈与によって取得した場合にかかる税金です。贈与税の対象にならないもので最も多い贈与が、生活費と教育費です。ただし、生活や教育資金として贈与を受けたのに、預貯金や株式の購入などに使われた場合は、課税の対象となる場合があります。

 

非課税枠

生前に無償で財産を分けることを、生前贈与といいます。生前贈与にかかる贈与税には、年間110万円の控除があります。贈与税の計算は、

取得した財産の合計-110万円の基礎控除

つまり、110万円以下の贈与は、非課税というわけです。しかし、この非課税の意味がよく間違われているので、具体的な例を見てみましょう。

財産のあるAが、配偶者のB、子どものCとDに生前贈与をする場合。Bに110万円、Cに110万円、Dに110万円、合計で年間330万円、という贈与なら、贈与税がかかりません。一方で、財産のあるAとB夫婦が、子どもCに生前贈与をする場合。Aから110万円、Bから110万円、合計220万円を受け取ると、Cには贈与税がかかります。つまり、非課税枠は、「1人につき110万円」というわけです。

 

■不動産に関する贈与税

不動産はその金額が大きいため、上記以外にもいくつか特別な控除の制度が用意されています。どのようなものがあるのが、確認してうまく活用しましょう。

 

配偶者控除

 婚姻期間が20年以上ある夫婦に適用される制度で、居住用の不動産または居住用不動産のための金銭の贈与に対して、基礎控除の110万円のほかに、2000万円まで控除されます。条件は、婚姻期間が20年を過ぎた後の贈与であること、自分が住むための国内の居住用不動産であること、などの条件があります。適用を受けるためには、贈与を受けた日から10日後以降に所定の手続きを行わなくてはなりません。詳しくは国税庁のサイトなどを確認してみましょう。

 

直系尊属からの贈与

両親や祖父母などの直系の尊属から、自分が住むための住宅購入資金または改築資金に充てる資金の贈与を受けると、一定の条件の元で非課税となります。限度額は贈与を受けた年度などにより異なります。こちらも細かい規定がありますので、同じく国税庁のサイトなどで詳細をよく確認してみましょう。 

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ