親族が死亡して、不動産を相続した場合。名義を変更せずに年月が経った後、何らかの理由で売却したくなったら、どのようにすればよいのでしょうか。

 

そのまままでは売却不可!

不動産売却には、必要な公的書類がいくつかあります。当然亡くなった人の書類を取ることはできません。また、遺産相続トラブルも考えられるため、購入する人はいないでしょう。では、どうすれば売却できるのでしょうか。

 

まずは名義変更

亡くなった方の名義から、相続人の名義に変更しなければ、売却はできません。どうせすぐ別の人のものになるのだから名義変更なんて必要ないのでは?と思われるかもしれませんが、本人以外の人が不動産を売却することは法律で禁止されています。まずは名義を売却者本人に変更しなくてはなりません。

 

遺産分割協議を行う

相続人が1人の場合なら問題ありませんが、複数人いる場合、勝手に名義変更をすることはできません。法律では、配偶者に2分の1、子どもに残りの2分の1で、子どもが複数いる場合には均等に分割すると決められています。分配は、遺産分割協議をして相談します。相続人で分けると決まった場合、全員の名義にして売却すると手続きが煩雑になります。そのため、分割金額を協議した後、代表者を決めて名義変更した後に売買取引をして、現金化された遺産を分けるという方法が一般的です。

 

■売却でかかるお金

遺産相続後も名義が変わっていなかった場合、物件を売却することで必要なお金があります。手続きに関する費用だけでなく、思わぬ税金がかかる場合も。売却によってかかるお金を確認しておきましょう。

 

手続きにかかるお金

 まずは名義変更に伴う費用がかかります。自分で行う場合でも、

①登記事項証明書として1物件につき600円

②新しい所有者の住民票、印鑑証明書、評価証明書などに数千円

③登録免許税として固定資産税の1000分の4

 この3つは最低かかります。行政書士などに依頼した場合、一般的に上記プラス5万円程度の費用がかかります。

また、売買に関しても、再度名義の変更が行われるための登記簿謄本などの書類に加え、不動産会社への仲介手数料などの諸経費が必要となります。

 

相続と売却にかかるお金

財産を相続した場合、価値に応じて相続税がかかります。税金がかからない範囲は3000万円+600万円×法定相続人の人数と決められています。もし売却物件にそれ以上の価値があると、相続税が課せられます。

 また、売却に関しては、譲渡所得に対して税金がかかってきます。これは譲渡で得た価格から、取得費と譲渡費用、特別控除分を引いたものにかかる税金です。今回の場合、所有期間が5年以下になるケースがほとんどのため、30%の税金がかかります。5年以上保有すると15%まで下がるので、不動産を相続した時は早めに名義変更をしておくとよいでしょう。 

 
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