インターネットの一括査定など、簡易査定後に売却を決めた場合。業者による訪問査定が終わると、想定より低い額を提示される、ということがあります。査定価格が下がってしまうのは、どのような原因があるのでしょうか。
■物件の問題
査定が下がる理由はいくつかありますが、物件自体に問題がある場合、ちょっとしたことで改善される可能性があります。どのような問題があるのか、そしてどんな対処法があるのか、確認してみましょう。
物件の劣化が激しい
簡易査定をする際、不動産会社は、物件ができてからの経年劣化を査定に組み込みます。しかし、小さな子どもや動物がいたり、あまり家を丁寧に使っていなかったりという理由から、想定以上に傷やダメージがあると、大きなマイナス評価につながります。壁や床などの傷は、ホームセンターで安価に修理を行えるグッズも販売されています。また、査定前に掃除しておくと印象も良くなります。自分でできることは、可能な限り行っておきましょう。
周辺環境や共有部分が悪い
実際に現地に訪れてみないとわからないのが、周辺環境です。例えば隣家に問題があったり、生活圏にあって欲しくない施設などがあったり、自身ではどうしようもない環境により査定が下がることもあります。対策としては、近隣との関係を日ごろからよくしておく、施設については購入時にその分を加味して安く購入するという方法があります。
また、マンションの場合は、エントランスなどの共有部分の状態が悪いことがマイナス査定になります。掃除が行き届いていない、経年以上に劣化が進んでいるといった場合、マンション自体の管理が悪かったり、トラブルを起こす住人がいたりするため、評価は低くなります。管理組合に是正の相談をすると、改善されることもあります。こちらも、査定前にできるかぎりのことを行っておきましょう。
■外的要因が問題
物件自体に問題がないのに、査定が下がってしまうこともあります。どんなケースがあるのか、対応策はあるのか。こちらも確認しておきましょう。
周辺環境の影響
購入したばかりのころは日光がまぶしい程に差し込む家だったのに、近隣に大きなビルが建つと日が差さなくなった、ということもあります。日照条件が悪いと、査定は大きくマイナスにはたらきます。また、元々あった交通機関が廃止されるというケースも、稀に発生します。こちらももちろんマイナス査定となります。
景気の悪化
景気が悪化すると、当然不動産は売れにくくなります。不動産が売れないと、当然業者は不動産価格を下げます。それに伴い、売却を希望する不動産の査定も、低くなるのです。
前記の環境悪化も含め、これらのマイナス要因は、将来的に改善される可能性もあります。売却を急ぐ必要がない場合は、不動産業者と相談しながら、売却時期を見極める必要があります。