人生で初めての不動産購入。慣れない手続きに戸惑うことも多いですが、契約はどんな流れになるのでしょうか。契約までの手順に合わせて、チェックしておきたいポイントもご紹介します。
■契約までにも手続きがある
不動産の購入に慣れている人は、少ないはず。大抵の人は、一生に一度、経験するか否かだと思います。実は、物件の売買契約をするまでにも、いくつかステップがあります。契約前にはどんなことがあるのでしょうか。
①申し込みをする
住宅展示場を訪ねて、マンションのモデルルームを見て、不動産業者から紹介されてなど。じっくり物件を確認するステップが終了し、ぜひ購入したい物件に出会えた時、最初に行うのが、「買います」という意思を伝える申し込みです。ここで注意したいのが、この申し込みが契約ではないということ。購入したい物件に対して、法的効力はありません。ただし、業者からは申し込み時に、買付証明書が発行してもらえます。同時に申込の意思表示として、申込金が必要なケースもあります。人気物件の場合は、他にも買いたいという人が出てきたら、先着順か抽選で購入者が決まります。
②事前審査
現金一括で購入する場合を除き、マイホームの購入には、ほとんどの方が住宅ローンを利用することになります。ただ、実際に不動産売買をした後で、「ローンが通らなかった!」という事態を避けるため、多くの不動産業者はこの時点で事前審査を行います。無事に金融機関の審査を通過したら、次のステップへ進めます。
③重要事項説明を受ける
あまり知られていませんが、実は不動産取引において契約と並んで重要視されているのが、重要事項説明です。宅建士の資格を持つ者のみ行うことができ、登記事項や物件の説明、契約解除や代金の授受についての説明が行われます。説明を理解して納得できた時点で、重要事項説明書に署名・捺印します。ここで重要なのは、不明点を残したままで署名をしまわないこと。あいまいなことや不明点はすべて、宅建士に確認しましょう。また、重要事項説明書の文章は膨大な量になります。その場で一度に説明を受けると、大切なことを聞き逃す場合もあります。事前に受け取ることもできるので、説明を受ける前に一読しておくと良いでしょう。
■いざ、売買契約
重要事項に納得ができたら、いよいよ売買契約です。物件を受け取るまで、どんな流れになるのでしょうか。また、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
売買契約
売買契約は、売り手か買い手、どちらかの不動産会社で行われることが多いです。取引内容、権利や義務など、物件についての最終説明が行われます。重要事項説明と重複する部分もありますが、物件の位置情報や面積、支払い方法や引き渡し時期など、聞き流さずに1つ1つきっちりと確認しましょう。納得ができたら、不動産売買契約書に捺印・署名をします。最後に物件の5~10%の手付金を支払うことによって、売買契約は成立です。
住宅ローンの正式申し込み
意外かもしれませんが、住宅ローンは、売買契約を行った後で正式な申し込みをします。ただし、大抵の業者は契約前に事前審査が行われているので、比較的スムーズに認証されることが多いです。万が一、審査を通過しなかった場合は、契約が解除できることが、売買契約書に記載されています。
売買契約後
契約締結後に、もっと良い物件が見つかったり、家族の事情で購入をやめたくなったりで、契約を撤回したくなったらどうなるのでしょうか。相手が契約に着手する前なら、売買契約の時に支払った手付を放棄して、契約を解除することができます。イレギュラーなことですが、万が一に備えて覚えておきましょう。