マイホームを購入したのはいいけれど、経済の変動、家族構成の変化、収入の減少、子どもの進学や親の介護などで、予定通りに支払いができなくなることも。住宅ローン問題に直面したら、どうすればよいのでしょうか。

 

 

■住宅ローン問題とは

 長い人生、たとえ無事にマイホームを購入したとしても、その先に何があるかはわかりません。そんな時に発生するのが、住宅ローン問題。一体、どんなリスクがあるのでしょうか。

サブプライムローン問題は他人事ではない!?

 住宅ローン問題と聞いてイメージされるのは、アメリカで起こったサブフライムローン問題ではないでしょうか。サブプライムローンとは、本来なら住宅ローンが組めない低所得者に住宅を担保として高金利のローンを貸し付け、家が買えるようにした仕組みのことです。ローンは証券化されて高金利の金融商品として広く流通しましたが、アメリカの不動産バブルの崩壊と共に仕組みが破綻し、リーマンショックなどの経済問題を引き起こしました。

 アメリカで起きたことで、日本の住宅ローンには関係ないでしょう?と思いがちですが、実はこの問題は日本でも起こりうることなのです。サブプライムローン問題が大きくなった原因の1つは、借入の数年間は金利が安かった、ということ。それによって利用者が増えたことが、破綻の原因の1つでもあります。実は日本の住宅ローンも、数年間は安い金利で利用できるシステムになっています。さらに、変動金利でローンを組んでいた場合、経済の流れが変って高金利になると、一気にローンが重荷になってしまうことも考えられます。

生活は変化する

 住宅ローンを組む時は、自身も働き盛りの頃が大半です。その頃は、子どもが小さく、両親も元気で、今支払っている家賃くらいまでなら支払いができると考えてしまいがち。しかし、家族というのは、いつまでも同じではありません。子どもが私立を受験するとなると、想像以上に教育資金がかかります。また、親の介護で自身や共働きだった妻が働けなくなることも。さらには離婚や死別で、生活環境自体を変えざるを得ない場合も発生します。

■住宅ローン問題を回避するために

オーバーローンでローンを組まない

住宅ローンの残額が、物件の譲渡価値(時価)よりも高いことを、オーバーローンといいます。例えば新築で家を買った時、実際に支払う額に対して物件の価値は100%ではありません。そこには販売側の利益などが含まれていて、その部分が時価との差額になります。オーバーローンで購入してしまうと、買い替えなどを行う時に新たなローンが組めず、売却しても残債が残ってしまいます。

オーバーローンにならないためには、購入時にしっかりと頭金を支払うことが大切です。

将来の収支バランスも考えたローンを組む

「生活は変化する」の項でも案内した通り、長い人生、ずっと同じ環境でいられるわけではありません。購入を終えた後で、まったく貯金が残っていなかったり、返済中に貯蓄ができなくなったりという状態では、何か1つ変化があるだけで破綻することも。様々なリスクを考えながら、現在の収支バランスだけでなく、長いスパンの収支バランスを考えてローン返済を計画することが大切です。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ