不動産関係の資格の中でも、特に難しいとされている不動産鑑定士。どんな資格なのか、そしてどんな人がどんな風にすれば取れるのか、そして取ったらどうなるのかをご紹介します。

 

 

■不動産鑑定士とは?

 宅地建物取引士の次に有名な不動産関係の資格といえば、「不動産鑑定士」。名前は聞いたことがあるけれど、一体どんなことができる資格なのでしょうか。

 

不動産鑑定士という資格

 不動産鑑定士は、「不動産の鑑定価格に関する法律」、略して不動産鑑定法に基づいて制定された国家資格です。不動産鑑定士を選定する国土交通省では「不動産の鑑定評価に関する法律により規定された国家資格であり、不動産の鑑定評価に関する高度の専門職業家として、不動産の鑑定評価を行うために必要な資格です。」と説明されています。逆にこの資格を持っていない人が不動産の鑑定を行うと、罰則の対象となります。

 

不動産鑑定士の仕事

新聞に時々、地価公示というものが掲載されるのをご存じでしょうか。実はこの土地の価格を調べているのが、不動産鑑定士の仕事の一つです。標準値とよばれる一定の場所の土地価格を鑑定し、不動産取引を適正に行えるようにするのが目的です。その他、固定資産税や相続税のために土地を評価、競売や土地収用の価格を評価などの公的業務から、売買基準の参考価格の算定、抵当権設定のための鑑定など、民間業務も行います。

 

■どうすれば取れる資格?

 不動産鑑定士の仕事はわかったけれど、どうすれば取れる資格なのでしょうか。また、資格を取るために何か資格が必要なのでしょうか。

試験は2段階!

 不動産鑑定士の試験は、短答式試験と論文式試験の2段階で行われます。2月から3月の間に国土交通省で配布されている願書を入手し、同じく2月から3月の間に電子または書面で申し込みます。短答式試験はいわゆるマークシート式の試験で、毎年5月に行われます。受験資格の制限は特になく、年齢や学歴、職業や国籍も関係なく、誰でも受けることができます。この短答式試験に合格すると、次の論文式試験を受験することができます。一度、短答式試験に合格すると、2年間この合格が有効となります。2段階目の論文式試験は毎年7~8月、3日間に渡って行われます。短答式試験の合格率は25%、さらにその先の論文式試験は10%と、かなり難易度が高いことがわかります。

合格したら、実務研修

難関試験に合格しても、すぐに不動産鑑定士になれるわけではありません。業務に必要な技術や知識を身につけるために、国土交通大臣の登録を受けた日本不動産鑑定士協会連合会の研修を受けなくてはなりません。実務修習期間は、1年、2年、3年の3コースがあり、講義、基本演習、実地演習の3単元を取得する必要があります。その後、修了が確認されたら、晴れて不動産鑑定士として登録を受けることができるのです。

 
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