ファイナンシャルプランナー 大竹麻佐子です。

あちこちで開催されている「終活セミナー」や「相続セミナー」(私もやっていますが・・・)、
知っておきたい知識や情報が得られるという反面、
〝お金”が動くしくみの中に巻き込まれる危険性もあります。

シニアマーケットという言葉があるくらいです。
営業の餌食にならぬよう情報をコントロールしたいものです。

さて、今回は、シニアの不動産売却について、
あるイベントの相談コーナーに立ち寄られた75歳女性の話を取り上げてみます。

子供おらず、ご主人は3年前に他界されています。独り暮らし。
そんな彼女の相談は、今住んでいる家は、独りで住むには広すぎる。
売却して小さなマンションに住み替えたい。とのことでした。

聞くと、すでに専任媒介で売りに出しているとのこと。

え~~~っ?? と思いつつ、そのまま話を聞くことにしました。

独りの生活には広すぎる、管理費かかる 
→ 以前参加した「終活セミナー」で自宅の整理について聞いた。
→ ポストに入っていた近所の不動産屋さんの無料査定のチラシ 
→ とりあえず査定 
→ 査定価格は思いのほか高額 
→ 専任媒介契約締結 
→ 売れない 
→ 売却価格値下げ 
→ 売れない 
→ 庭の石の処分を要請される 
→ 業者見積もり 40万円 → どうしよう(/ω\)

ご自宅は、40年ほど前、生活しやすい場所で庭いじりもできる1階で、
というご主人の強い希望に叶うようかなり時間をかけて出会ったマンション。

庭の石は、ご主人が趣味で池を作ったのですが、
地震でずれたことと手を入れられなくなったので荒れ放題。
他人からみたら邪魔なだけかも…というもの。

人生タイミングって大切ですが、周囲に流されてしまうとあとで後悔することになります。

売れないことで少し安心しているという女性に対して、
管理費が高いからという経済的負担よりも大切にしなくちゃいけないことある気がしました。
この先どう暮らしたいか尋ねてみました。

ワンルームを買ってもいいし、賃貸でもいい、身体が動けなくなったら高齢者住宅でもいい・・・。
(/ω\)

でもいい。じゃなくて、こうしたいっていうのを考えようよ。
今すぐじゃなくてもいいじゃない?
ご主人との想い出のいっぱい詰まった今のご自宅と家財道具は、少しずつ整理していこうよ。
と伝えると、後戻りできなくて困っていたとのことでした。

間に合ってよかった!(^^)! 
その後、売却取下げの依頼をし、現在の家計収支把握と将来予測、
そして継続的に面談することで元の笑顔の生活にもとりました。

終活セミナーなどで、生前整理とか最期の準備は早めにしましょうという話があります。
確かにその通りです。

でも、一人ひとり想いを大切にして納得できる人生を送ってほしいと心から思っています。

 
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