こんにちわ。行政書士ダンディ法務事務所の大熊厚史です。前回は「マンション管理士資格の抜本的改革」について熱く語りましたが、今回は固定資産税の問題点について再び熱く語らせてもらいます。空き家問題が深刻化していますが、この問題は実に根が深いです。何故空き家が増えるのでしょうか?そこにはちゃんと理由があります。空き家にしておく方が有利な点があるからです。当然の流れなのです。

 実話から話します。父の兄が亡くなり、父が不動産を相続しました。売却するつもりで建物を解体し、周りの森林も伐採し、更地にしました。解体費用が三百万もかかりました。でもすぐに買い手が付くと予想していたのですが、なかなか売れません。そして固定資産税がかかってきました。何と更地にしたら固定資産税が3~4倍増えました。恐ろしい事態です。これならば早まって更地にするべきではなかったと後悔しています。

 空き家がある時より、更地にすると固定資産税が3~4倍増える。この事実は何よりも重いと思います。売れる保証があるとは言えないが、積極的に売ろうとして動くと馬鹿を見る。こんなおかしな話があって良いのでしょうか?

 近年、空き家は増え続けています。その理由の一つが、この更地にすると固定資産税が大幅に増えるからだと思います。売れれば良いですが、売れなかったら売れるまで高い固定資産税を払わなければならない。こんなリスクを背負いながら誰が空き家を無くそうと積極的に動くでしょうか?

 本当に政府が空き家問題を解決する為に動くのならば、まずは固定資産税の抜本的な改革をするべきです。更地にしても固定資産税が大幅に増税されないようにする。そうすれば、いままで増税を恐れて、あえて空き家にしていた人々が積極的に更地にして売却するように動き出すでしょう。

 空き家問題は深刻化しています。一刻も早く解決に乗り出す行動力が必要です。もしも田中角栄氏が生きていて、総理大臣だったら、間違いなく固定資産税の抜本的改革に乗り出していたはずです。

 勇気を持って改革する。これが何よりも大切な事だと思います。

 

 
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