① 中古RCマンションの特徴
前回の続きになりますが、新築木造の次にご相談の多いのが、中古RCマンションです。
中古RCマンションは、戸数が多くなる傾向にあるので、空室リスクは減ります。賃料
の維持と高い稼働率で高い利回りを確保できれば、得られるキャッシュフローも大きく
なり、自己資金の回収や目標の達成も早くなりますし、レバレッジを効かせた投資もで
きます。
しかし、最初の購入条件を誤ったり、運営がうまくいかなければ、借入も大きいため、
レバレッジが逆に働きキャッシュフローがマイナスに働くこともあります。
それでは、中古RCマンションのシミュレーションを見ていきたいと思います。
② 中古RCマンションのシミュレーション
中古RCマンションは最初の購入条件が非常に重要になります。ぜひともシミュレーショ
ンは試してくださいね。最近では、リィーティスなど簡単にできるシミュレーションソ
フトはたくさんあります。今回は投資条件を次のようにします。
損益計算書とキャッシュフローの見方は前回で解説しましたので、前回を参考にしてください。
/column/odakazunori/22856/キャッシュフローのポイントは、収入から支出を引いた手残りが年間541万円になり、
約5年で自己資金を回収することができます。(下の表を参照してください)これを踏ま
えて次に大切な出口戦略を考えていきます。
中古RCマンションの場合は、耐用年数が長く、ある程度築年数が経っている物件でも、融
資期間が長く取れるため買い手は付きやすいと思います。
物件を売る時は不動産の簿価(取得価額から減価償却費を引いたもの)が大きければ、売却
価格から引ける金額も大きくなりますので、利益(売却価格から簿価を引いたもの)を小さ
くすれば、利益にかかる税金も変わってきます。
この法人税の税率をうまく活用できれば、出口戦略がよりはっきり見えてきます。
③ 法人税の税率
法人税の税率は、大企業と中小企業で変わってきます。今回は中小企業について見てい
きますが、法人の所得金額(損益計算書の税引前利益の金額)によって実行税率は変わってきます。
所得金額が400万円以下ですと約22%、所得金額が400万円超~800万円以下までは約
24%、所得金額が800万円超ですと約34%の実行税率なります。この差額をうまく活用すれば、
税金を払うけれども投資全体のキャッシュをより多く残すことができます。