現在の所、日本市場に与える影響は限定的だが・・・
アメリカのトランプ政権が中国との首脳会談中にシリア攻撃したことで、
東アジアを中心とした国々に衝撃が走っています。
オバマ政権の時は協調主義を掲げていたため、意思決定に時間がかかって
いましたが、単独主義を掲げるトランプ政権は公約通りと言えそうです。
今回のシリア攻撃により、人道的見地に反する国には対抗措置を取ることが
明確になり、北朝鮮や中国に強いメッセージとなりました。
10日の株式市場は上昇、長期金利もアメリカの長期金利が上昇したことから
連れ高し、地政学的リスクを意識しつつも底堅い展開となりました。
今後の鍵は北朝鮮次第、場合によってはアメリカの軍事行動も
普通の国であれば自制するのですが、体制が内部崩壊している北朝鮮は
ミサイルを発射するしか国民の統制が取れません。
記念日にミサイルを発射することの多い北朝鮮ですが、今月末にかけて
様々な記念日があり、そこでミサイルを発射してしまうと一気に事態が
緊迫化することが懸念されています。
アメリカが軍事行動に踏み切り、北朝鮮と衝突すると予測する専門家もおり、
その場合は日本市場に大きな影響を与えることになります。
有事の際、日本の金融市場はどのように動くのか
アメリカが北朝鮮に対して軍事行動に踏み切った場合、日本の株式市場は
軍事関連株を除いて下落し、日経平均株価は急落するものと考えられます。
そして株式市場から流れたお金は、債券市場で取引される国債の購入に向かい、
長期金利の指標となる、10年物国債の値段は上昇する流れになるでしょう。
(値段は上がりますが、相対的に利回りは低下します)
これにより現在0.5%前後の長期金利は、日銀が誘導目標とする0%前後になり、
長期金利に連動する長期固定の住宅ローン金利は低下することになります。
市場参加者の中には、今年金利が上昇するというシナリオを修正しなければ
ならないと指摘する人もいます。
どちらにしても地政学的リスクという不透明感が拭えない限り、金利が上昇する
シナリオはだいぶ後退したと言えるでしょう。