所得を操作できる自営業者はもともと住宅ローンの対象になりにくい
私は金融機関出身のFPということもあり、よく住宅ローンの審査に落ちた自営業者の方から
ご相談を受けることがあります。
そこで認識して頂きたいのは、自営業者や個人事業主が当然に行っている所得操作です。
誰でもそうかもしれませんが、ある程度所得を操作できるのであれば申告所得を少なくして
納付税額を抑えたいものです。
これにより、税金だけでなく国民健康保険料なども変わってくるのでなおさらです。
一方サラリーマンの方は会社に全て管理されているので、所得を操作できません。
また大きいのが、事業の継続性に関してです。
これだけ変化の激しい社会において、今後数十年間にわたって同じだけの所得を上げられる保証は
どこにもありません。
サラリーマンの方でも会社を審査するのですから、自営業者の方が不利になるのは致し方ありません。
資金は出来るだけ現金で用意して、住宅ローンは足りないだけという認識を
従って自営業者の方はサラリーマン向けの一般的な住宅ローン審査基準ではなく、まずは自分自身が
行っている自営業の見込みなどを客観的に審査してもらいましょう。
また頭金2割というサラリーマン向けの現金ではなく、頭金5割程度は現金で用意してから住宅ローンを
申し込むことです。
こうすることで金融機関の不安払拭を狙うわけですが、金融機関にはどうしても拭えない不安があります。
例えばフラットの場合、自営業者の方が減額承認になったとします。
サラリーマンの方であればこれを受入れるしかありませんが、自営業者の方はたいてい
過去の所得を増やし、修正申告した確定申告書類を再提出してきます。
本人は過去もこれだけあったと主張したいのでしょうが、金融機関としてはどれが本当の所得なんだと
逆に疑心暗鬼を生じさせることになります。(メガバンクなどは修正申告を受け付けません)
このように考えると所得操作が出来てしまう自営業者は有利不利というより、住宅ローンという商品に
向いていないというのが金融機関の本音と考えられます。
厳しいことを書きましたが以上の背景を理解して、住宅ローンを上手く活用して頂けたらと思います。