まずは具体的にシミュレーションしてみましょう
これまでのコラム「超低金利の弊害」で、銀行の住宅ローン争奪戦により
オーバーローンが増えている実態をご紹介しました。
そして、フラットなどを除いて銀行が融資判断に用いる審査金利は4%であり、
地方銀行などは審査金利を引き下げているため、メガバンクよりも多額の融資を
無理に行っていることもご説明しました。
銀行が審査金利を4%と考えているということは、当面の上限金利は4%であるともいえ
この4%がシミュレーションの最適値であると考えられます。
以下に年収別のシミュレーション結果をご紹介します。
前提条件は金利4%、返済負担率35%、返済期間35年です。
年収400万円 借入限度額2,600万円
年収500万円 借入限度額3,300万円
年収600万円 借入限度額3,950万円
年収700万円 借入限度額4,600万円
年収800万円 借入限度額5,270万円
上記の数字は保守的に見積もった数字ですが、この数字をご覧になって皆様は
どのような感想をお持ちでしょうか。
当然ながら、サラリーマンであれば出世すれば年収も増え借入限度額も増えますが、
銀行はあくまで現在の年収をベースに審査するため、年収に対する審査金利が高いと
借入限度額も低くなります。
また、上記の数字は家族構成などは一切考慮していません。まだお子様の年齢が小さく
今後の教育費などがかさむことが予想される場合は、さらに借入限度額を保守的に見る
必要があります。
東京カンテイのデータによると、首都圏の2015年新築マンション
平均価格は約5,000万円、近畿圏では約4,000万円となっています。
この数字をさきほどの借入限度額と照らし合わせると、首都圏で新築マンションを購入するには
年収800万円、近畿圏では年収600万円必要な事がわかります。
首都圏で年収800万円の人がゴロゴロいるとは考えにくく、頭金を物件価格の2割用意するなどして
借入限度額を減らすしか方法はありません。
決して焦らず、自分達に無理のない資金計画を立てることが何より大切です。
(フラットは全期間固定金利で金利変動リスクがないため適用金利を審査金利としていますが、
銀行と同じように4%でシミュレーションされることをお勧めします)