変動金利は変化無しだが物価上昇率には要注意
変動金利は4月も短期プライムレートに動きがなかったことから、各行とも横ばいとなっています。
1月30~31日に開かれた日銀の金融政策決定会合でも、現状維持が決定されました。
従って、当面は変動金利も現状維持が続きそうです。
ただ、注意すべきは原油価格の上昇や円安により、物価上昇率が上昇してきていることです。
日銀が2%の物価上昇率を最優先課題に、金融緩和を行っているのはご存知だと思いますが、
この物価上昇率が年末には1%台半ばまで上昇するとの予測もあります。
仮に日銀が2%の物価上昇率を達成した場合は、金融緩和の引き締め観測から短期プライムレートも
上昇する可能性があります。
金融機関はどこも金利優遇を手厚くしすぎて、現在の利ざやはほとんど無いに等しい状況です。
そう考えますと、変動金利もいずれは上昇局面に入っていく可能性は認識しておいた方が良いでしょう。
固定金利は日銀の金利抑制姿勢が強まる
一方の固定金利も今月は据置でしたが、固定金利は長期金利に連動するため、長期金利の値を
見ていく必要があります。
日銀は新しい金融緩和政策の中で、長期金利の誘導目標を0%にすると明言しました。
しかし、アメリカの利上げや長期金利の上昇から、日本の長期金利も上昇し
現在は0.5~1.0%未満で推移しています。
日銀の黒田総裁は講演で、従来の長期金利の誘導目標を0.1%に引き上げるのではないかという観測を
打ち消すと同時に、3月の日銀オペ(国債買い入れ)から日程を公表して、金利抑制姿勢を鮮明にしました。
これにより一時1.0%近くまで上昇していた長期金利は緩やかに低下し、現在は0.6%近辺で推移しています。
ただし、以前のように長期金利が0%近辺まで低下することは考えにくく、当面は0.5~1.0%の範囲内で
推移すると予測されています。
アメリカの経済指標が良いという上昇材料と米中首脳会談などの政治リスクという低下材料が相殺し合い、
来月の固定金利もほぼ横ばいと考えています。