収入合算では普通の団信は効果がない
夫婦がそれぞれにローンを組むペアローン、あるいは夫婦の収入を合算する
収入合算が増えていることはこのコラムでもお伝えしました。
ただペアローンにしろ収入合算にしろ、1つの物件に債務者が2名という
形態になります。
ここで、債務者に万が一の事があった場合に保険金で以後の住宅ローンの
支払いを免除してくれる団体信用生命保険について考えてみましょう。
この団体信用生命保険は、フラットでは任意、銀行ローンでは必須と
なっています。
ただフラットでは任意としていますが、以前の公庫融資では必須と
なっていたため、現実は必須と考えた方が良さそうです。
また団体信用生命保険の支払い方法ですが、フラットでは年払い、
銀行ローンでは金利に0.2~0.3%が上乗せされます。
そして問題なのが収入合算では主債務者1名しか団体信用生命保険に
加入できないこと。
ペアローンでは、それぞれが独自にローンを組んでいるので、
2名が団体信用生命保険に加入できます。
特に前者の収入合算では、主債務者以外の債務者に何かあっても
まったく考慮されることはありません。
さすがにこのリスクを重く見た住宅金融支援機構は、夫婦連生団体信用生命保険
デュエットを発売し、どちらかの債務者に何かあれば、債務がなくなる仕組みを
導入しました。
民間は三井住友銀行のクロスサポートに注目
このリスクには銀行も気づいていたはずですが、ペアローンを主体としていたため
長らくデュエットのような商品は発売されませんでした。
しかし三井住友銀行が、住宅金融支援機構の夫婦連生団体信用生命保険デュエットを
参考に、クロスサポートという商品を発売しました。
クロスサポートはフラットのような収入合算ですが、上乗せ金利0.18%を払い
加入しておけば、万が一の事があったときには債務がなくなるというものです。
夫婦で住宅ローンを組んで、どちらかに万が一の事があった場合、
片方だけ続けて返済していくのは厳しいものがあります。
フラットであればデュエット、銀行であればクロスサポートに
加入されることを強くお勧めします。