リバースモーゲージの住宅版
フラットに代表される住宅金融支援機構は、国の住宅政策を担う機関でもあります。
そして今後少子高齢化がますます進むにつれて、高齢者だけの世帯が増加することが
予想されます。
空き家問題も深刻ですが、高齢者だけの住宅が昔ながらの住みにくい住宅だった場合、
高齢者が自宅で怪我をするなどの事態も想定されます。
そこで住宅金融支援機構は、高齢者向け返済特例制度というものを開始しました。
これは、リバースモーゲージの住宅版と言えますが、まずリバースモーゲージについて
簡単に解説しておきましょう。
リバースモーゲージは自分の住宅を担保に入れてお金を借り、自分達が死亡した時に
自宅を処分して返済する制度です。
中古住宅の質を重視するヨーロッパなどでは普及していますが、日本では住宅は小屋扱い
されるため、土地の価格が高い都心部の一部でしか普及していません。
ただ、リバースモーゲージを利用することで高齢者が必要な資金を調達出来るため、
高齢者にとっては使い勝手の良い制度と言えます。
長くなりましたが、これの住宅版が高齢者向け返済特例制度です。
満60歳以上の方がバリアフリー工事や耐震改修工事を含むリフォーム工事を行う際、
返済期間を申込人全員が死亡した時までと定め、その間は利息のみの支払いで済みます。
そして全員が死亡した時に、住宅金融支援機構が融資した金額を回収するため、
相続人に住宅や敷地の処分、場合によっては相続人からの自己資金などで回収
するという仕組みです。
リバースモーゲージ同様、相続人に残るのはそれらの代金が回収できた後の金額ですが、
相続人にリフォーム資金を手当てする余裕があるとも限らず、合理的に考えると良く出来た
制度だと思います。
最近の新築住宅同様、リフォーム技術の進化も凄まじく、適切なリフォーム工事があれば
高齢者の方の生活もだいぶ楽になるものと考えられます。
まだ一般的な制度ではありませんが、参考にして頂けますと幸いです。