ダブルフラットの特長
住宅金融支援機構が昨秋から、ダブルフラットという商品を発売しました。
文字通りフラットを2つ利用する商品なのですが、その特長やメリットについて
解説していきたいと思います。
今までフラットを利用する場合、フラット20やフラット35など1つの商品だけ
利用するのが通常でした。
しかし最近は、住宅ローンを組む際に予めライフプランニングを行うことが多くなり、
定年後は毎月の返済額を減らしたいなどの要望が多くなりました。
上記の事例の場合、フラットを1つ利用し定年後に退職金で繰上返済するなどの方法も
ありますが、退職金は出来るだけ手元に残しておきたいものです。
そこで予め退職時期を想定し、退職までは返済額を多く、退職後は返済額を少なく
するプランを、2つのフラットを利用して組み立てるのがこの商品の特長です。
例えば、現在40歳の方がフラットの借り入れを行うとします。
この場合、通常であればフラット35だけを利用し、退職金などで繰上返済を行います。
しかしダブルフラットの場合、フラット20とフラット35を借り入れ金額の半分程度で
使い分けます。
こうすることで、定年時の60歳まではフラット20とフラット35を併用、
定年後はフラット35のみの利用となります。
確かに60歳までは返済額が増えますが、元々フラット35に比べてフラット20の金利は
低く設定されているため、併用してもそこまで大きな金額になるわけではありません。
実際に住宅金融支援機構のダブルフラットの試算ページを調べても、35年返済で3,000万円
借り入れた場合(フラット20の金利年0.99%、フラット35の金利年1.10%)
①フラット35のみ利用の場合 35年間毎月86,091円
総返済額 36,157,985円・・・③(60歳時点の残高約1,427万円)
②ダブルフラット利用の場合 当初20年間は毎月111,962円、その後毎月43,045円
(フラット20を1,500万円、フラット35を1,500万円で併用)
総返済額 34,618,920円・・・④(60歳時点の残高約713万円)
③-④で総返済額が約153万円抑えられます
上記の試算のように、ダブルフラットを利用すれば定年後の返済額が約半分になり、
老後に余裕が生まれることがわかります。
ダブルフラットの注意点
このように、今後の生活設計がある程度わかっている人にはダブルフラットは
お勧めの商品と言えますが、注意点もあります。
最も大きいのが、ダブルフラットの名の通りフラットを2本借り入れることになるので、
金銭消費貸借契約証書、抵当権設定などが2つ必要になり、通常のフラットよりも
その分の費用が2倍かかる点です。
しかし、住宅ローン返済の考え方としては理想の考え方とも言えるため、
該当しそうな方はダブルフラットを検討するのもよろしいかと思います。