超低金利で金融機関のオーバーローンが増加中
日銀のマイナス金利政策により、住宅ローン金利が異常ともいえる低金利を付ける中、
安易な融資に走った地方銀行を中心に延滞が目立ち始めています。
日銀が市場にお金をいくら供給したとしても、優良企業は社債発行により自前で調達、
中小企業には金融庁の指導により金融機関はリスクのある融資が出来ません。
結果として、市場に出回ったお金は安全とされる国債購入と個人向け融資に向かい、
融資金額が大きくなる住宅ローンに金融機関の貸し出しが集中しています。
このように競争が激化するのは好ましいことではあるのですが、一部優良個人の取り合いや
グレードが低い個人への貸し出しなど競争は過熱する一方です。
またここに来て大きいのが、審査金利の引き下げです。
金融機関は超低金利の利率を提示する一方で、貸し出しの審査においては原則4%で
融資の審査を行ってきました。
これにより顧客は、実質的に4%で借り入れたとして借入可能額を審査していたため、
借入可能額にある程度の歯止めがかかっていました。
しかし、住宅金融支援機構が提供するフラットは実際の貸し出し金利が審査金利となる関係で、
必然的に超低金利の現在はフラットの方が借入可能額の多い状態となっていました。
フラットは全期間固定金利なのでこのような審査体制になっているのですが、融資残高を伸ばすことが
特に急務となっている地方銀行などを中心に、相次いで審査金利を引き下げる所が出てきています。
これにより、メガバンクなどから顧客を奪うことには成功したものの、結果的にはオーバーローンの
状態となっておりそれが延滞という形で現れ始めています。
いくら借りられるかではなく、いくらなら返せるか
このようにオーバーローンになってしまい延滞で苦しむことになってしまっては、
何のためにマイホームを購入したのかわかりません。
住宅ローンの返済で延滞しないための心得として言われるのは、いくら借りられるかではなく
いくらなら返せるかを重視することです。
たいていの方は当初予算より高い物件を気に入ってしまう傾向があるため、上記の考え方を
徹底するのは難しいのが現実かも知れませんが、毎月の返済額がいくらになり家計は黒字を
維持出来るか必ずシミュレーションして下さい。
私は今後金利が多少上昇した時、ドミノ倒しのように延滞が発生するのではないかと危惧しています。
そうならないためにも、オーバーローンには十分注意して下さい。