建物価格にしか消費税がかからない事を逆手に取る
つなぎのつもりだった消費税8%。しかし、安倍政権が手間取る中でどんどん延期され、
現在の消費税10%への引き上げ時期は、2019年(平成31年)10月1日からとなっています。
また、つなぎの時期だからこそ認められている、総額表示と税抜表示の併用ですが、
これも2021年(平成33年)3月31日まで延長されています(消費税転換対策特別措置法)。
最近は、これをいいことに税抜表示の店が増え、税込にすると予想以上に高かったという
経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか(本来は総額表示が基本です)。
このように厄介な消費税ですが、消費税がかかるものとかからないものを見分けることで、
今まで曖昧になっていたことがわかることもあります。
そして、その代表格が建物価格です。例えば、分譲マンションや建売住宅は総額でいくらという
売り方が主流で、具体的に土地価格や建物価格を知ることは困難でした。
しかし、消費税の存在でそれが可能になったのです。具体例でご説明します。
例えば、分譲価格が5,160万円のマンションがあったとします。
この値段で消費税が160万円と説明された場合、建物部分にしか消費税がかからないことを思い出して、
建物価格は2,000万円とわかります(2,000万円の8%は160万円なので)。
そうすると、自然と土地価格は3,000万円とわかります(5,000万円から2,000万円を引きます)。
これはあくまで一例ですが、建物価格と土地価格がわかることで、このマンションはその値段ほど
価値があるかどうかを判断する手助けとなるはずです。
消費税が上がると建物価格の比重が高いマンションが影響する
一般的に、マンションが1番建物価格の比重が高いと言われています。つまり、消費税が10%に
引き上げられた場合、消費税の増加率が1番高いのがマンションなのです。
さきの例で言えば、建物価格は2,000万円ですので、消費税は10%で200万円となり、
分譲価格は5,200万円と40万円も増加します。
仮に住宅ローン控除が拡大されたとしても、消費税10%での購入はどの試算でも負担が大きく
なりますので、気に入った物件があれば早めに決断されるのがよろしいかと思います。