普通預金が一定額以上ある人向けの商品
皆様は預金連動型住宅ローンというのをご存知でしょうか。
当初、この商品を開発したのは東京スター銀行でしたが、現在は募集を停止しています。
(最近スターワン住宅ローンとして復活)
一方で、各地の地方銀行が東京スター銀行の商品に付加価値を付けて募集を続けています。
今回は、この預金連動型住宅ローンについて解説したいと思います。
預金連動型住宅ローンの本質は、同じ銀行に借り入れた住宅ローン残高と同じだけの
普通預金残高があれば、両方が相殺されて、利息はかからないというものです。
でもそれだけ普通預金があるのであれば、住宅ローンを借りる必要があるのかと疑問に
感じる人もいらっしゃるかもしれません。
おっしゃる通りですが、サラリーマン家庭はともかく、自営業者などは常に一定額以上の
運転資金を用意しておかなければなりません。
そのような自営業者にとっては、普通預金残高が一定額以上あるのは当然ですから、
預金連動型住宅ローンを利用する価値があると言えます。
また現代の不透明な時代には、手元に流動性を確保しておきたい人もいらっしゃるでしょう。
そのような人にも預金連動型住宅ローンは向いています。
なお預金連動型住宅ローンの利率は、通常の利率よりも高くなっています。
これはそれだけ普通預金があるのだから、利率は多少高くても問題ないという判断です。
従って、預金連動型住宅ローンを利用するときには普通預金残高がどれくらいあれば
有利になるのかを、予め計算しておくことが大切です。
以下に、ある地方銀行の事例で解説しましょう。(キャッシュバックあり)
普通預金残高 1,000万円(0.001%)
住宅ローン残高 3,000万円(1.100%)
この銀行では、キャッシュバック金額を「月末における普通預金の当月残高」あるいは
「月末の住宅ローン残高の50%」を上限としています。
この事例では普通預金残高の方が少ないので、1,000万円がキャッシュバック金額となります。
この事例を年率で説明すると
住宅ローン利息の支払い 3,000万円×1.1%=330,000円
キャッシュバック金額 1,000万円×(1.1%-0.001%)=109,900円
普通預金利息 1,000万円×0.001%=100円
合計すると住宅ローンの支払いは330,000円に対し、受取は110,000円ということになります。
ここで一般の住宅ローン金利が0.90%だったとしましょう。
わかりやすくするために、数字で整理すると
預金金利 0.001%・・・①
預金連動型住宅ローン残高 3,000万円・・・②
預金連動型住宅ローン金利 1.10%・・・③
一般の住宅ローン金利 0.90%・・・④
必要最低預金金額=②×(③-④)÷(③-①)=3,000万円×(1.10%-0.90%)÷(1.10%-0.001%)
≑5,460,000円
この場合、預金の平均残高が5,460,000円以上あれば、預金連動型住宅ローンを利用した方が
有利ということになります。
最後は少し難しくなってしまいましたが、この式を活用することで必要最低預金金額を
求めることが出来ます。
以上、ご参考にして頂けますと幸いです。