住宅ローンのAPRとは何なのか
皆様は住宅ローンで、APRという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
APRはアメリカで用いられている指標で、Annual Percentage Rate、
つまり総支払額表示の略です。
これは、住宅ローンの利息だけではなく、借り入れに関してかかる
諸費用(事務手数料、保証料、団体信用生命保険料等)を考慮した、
実質的な借入コストを示します。
なお、アメリカにおいては、住宅ローンを提供する金融機関は借り手に
APRを開示することが義務づけられており、それだけアメリカにおいて
APRは一般的となっています。
なお、このAPRは内部収益率の考え方が用いられており、エクセルのIRR関数で
計算出来ます。
実際にAPRを算出してみましょう
それでは、実際にAPRを算出してみることにします。
まず、諸費用を考えずに、普通に住宅ローンの利率を出してみます。
借入金額2,000万円、借入期間35年、元利均等返済とした場合、
利率は3.20%、毎月の返済額は79,219円となります。
次に、ここから事務手数料31,500円、保証料400,000万円を考慮した
金額(APR)を算出すると、毎月の返済額は同じでも利率は3.353%に
上がります。
そして、実際に顧客が負担するのは後者の方なので、APR3.353%を
他のAPRと見比べていった方が、より現実的な試算が出来るのです。
日本でも、いくら低金利のネット銀行であっても事務手数料が高いので、
APRは高く出るでしょう。
このようにAPRは便利な指標なのですが、日本では何故か普及していないため、
住宅ローン情報委員会も普及を促しています。
アメリカでは一般的なAPR、今後は日本でも
アメリカで一般的な金融関連の指標は、しばらくしてから日本でも
普及することが多いです。
例えば、10年前までほとんど普及していなかったクレジットカードも、
今はポイントサービスなどで普通に利用しています。
そういう意味では、今後APRが出てきたときに、実質的な負担コストを
表した利率と覚えておけば、必ず役に立つでしょう。
以上、ご参考にして頂けますと幸いです。