親の贈与が子供の住宅取得を後押しするのも事実だが

住宅取得は、子供世帯にとって重大イベントであるため、

両家の両親も熱心になることが多いようです。

そして、住宅取得というのは大抵が当初の予算金額をオーバーすることが多く、

両親が頼りになる存在となります。

また、住宅取得ということで、当初から一定額を贈与してくれる

両親もいらっしゃいます。

政府としても、住宅建設は経済的波及効果が大きいことから、

住宅資金贈与の非課税という特別枠を設けています。

現在の所、省エネ等住宅が1,200万円まで、それ以外の住宅が700万円まで、

親から子への贈与が非課税になります。

なお、実際の所はここから暦年課税の場合110万円プラスした金額、

両親が60歳以上で相続時精算課税制度を選択するのであれば、

さらに2,500万円の贈与を受けることも可能です。

現在の住宅は、基本的に省エネ等住宅に該当しますので、上記の非課税枠は

最大3,700万円にもなります。

老後資金を贈与された場合はそれなりの覚悟を

ただ、住宅資金を贈与されるとき両親が将来自分達でホームに入るなど、

老後の貯蓄資金かどうか確認しないのが普通です。

贈与の時期は、住宅取得のことで頭がいっぱいになり、将来必ず来るであろう

両親の介護問題などは頭にないからです。

ここで、本当に両親が富裕層であり節税対策のために贈与するのであれば、

何ら問題はありません。

将来も高級ホームで、ゆっくりと老後を過ごすことができるでしょう。

しかし、ほとんどの老人家庭においては生活するので精一杯、

貯蓄だけが頼りなはずです。

そして、住宅取得から10~20年後、両親の介護問題がやってきます。

きちんと貯蓄をして、将来はホームに入り、子供の世話にはならないという

しっかりした両親であれば理想ですが、大抵は子供の存在を当てにしています。

私は、子供が親の介護をすることはある意味当然だと考えていますが、

贈与を受けた家庭ほど親との意見が対立した現場をいくつも見てきました。

お金を出した親としては、どうしても口も出したくなるのです。

従って、住宅取得資金で贈与をして貰うときは、自分自身の親の貯蓄状況に

問題はないのか、老後資金を取り崩していないかなどを必ず確認するように

して下さい。

そして、無理な贈与であれば断る勇気も必要です。

どちらにしても、住宅取得で冷静になることが大切です。

 
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