住宅ローンの基本は長期固定金利
住宅ローンを普及させるために国が設立した、旧・住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)。
住宅金融公庫が目指したのは、今まで民間金融機関が、高い変動金利の住宅ローンしか提供できなかった
状況を打開するため、35年といった長期でも、低い固定金利の住宅ローンを提供することでした。
当時は民間金融機関が変動金利で8%の時代でしたが、住宅金融公庫は国からの補助も受けて、
35年の長期固定金利で5%台を実現し、国の住宅普及政策に金融面から貢献しました。
住宅金融公庫がここまで長期固定金利にこだわったのは、大きな買い物であるマイホームで
あるからこそ、金利が変わらない安心を提供することでした。
そしてその理念は、現在の独立行政法人である、住宅金融支援機構にも引き継がれています。
今ほど低い、長期固定金利はやってこない
10年前、日銀が金融緩和を行って以降、まず変動金利の利率が急低下したため、変動金利で
住宅ローンを組む人が急増しました。
ただ、いくら低い利率であっても、変動金利であれば、金利が上昇する可能性は排除できません。
金融環境は毎日のように変化するため、多額の住宅ローンを組んでいる人ほど、
金利が上昇するのではないかという不安は、拭えませんでした。
その後、日銀のマイナス金利政策により、長期固定金利の利率が急低下。
昨年8月には、住宅金融支援機構が提供する、長期固定金利の「フラット35」の最低金利が、
0.90%まで低下しました。
その後、最低金利は1%台まで回復していますが、35年間長期固定金利の利率が1%というだけでも、
私から見れば信じられない利率です。
また、民間金融機関も昨年頃から、長期固定金利に力を入れており、1~2%の低金利で
長期固定金利の住宅ローンが組めます。
市場関係者の間では、さすがに今後は、そこまで長期固定金利の利率が低下する可能性は低い
というのが一致した見方で、今の所は昨年8月が底と言うことになります。
さすがに、ここまで長期固定金利の利率が低下した影響で、現在は長期固定金利と変動金利の割合は
ほぼ半々になっていますが、多額の住宅ローンを組む人ほど、安心できる長期固定金利がお勧めです。
また、変動金利から長期固定金利に変更できる金融機関もありますので、早めに対処されるのが
賢い選択だと思います。