10年超の長期契約が出来なくなった火災保険
2015年10月以降の契約から、火災保険の参考純率が平均3.5%値上げされると同時に
10年超の長期契約が廃止されました。
これは、住宅ローン利用者にとって、大きな打撃となっています。
今までは、住宅ローンの基本的な最長返済期間である35年に合わせて、
火災保険の保険期間も35年とすることで、債権保全を図ると同時に、
長期係数の安い保険料で契約することが出来ました。
また、この時に住宅ローンの返済期間に合わせた火災保険に加入することで、
今後は火災保険の事を考えずに済み、金融機関としても債権保全が図れました。
しかし、この改正以降は最長10年の保険期間に短縮されるため、
火災保険料の長期係数が使えず保険料が上がります。
また、住宅ローン返済期間中は、火災保険を更新しなければならず、
更新を忘れてしまうというリスクに直面します。
これは、金融機関側にとっても同様ですが、金融機関としてはそれを確認するほど
時間がある訳でも無く、債務者の更新を信じるしかありません。
地震保険も今年1月から再値上げ
さらに、地震保険が2017年1月から再値上げされました。
地震保険は、2014年7月に全国平均で15.5%引き上げられたあと、2017年1月に、
さらに全国平均で5.1%引き上げられています。
地震保険の付保期間は5年ですので、5年おきに更新する訳ですが、このペースでいくと、
更新の度に保険料が上がり、地震保険への加入が抑制されるのではないかと危惧されます。
地震保険への加入を義務づけている住宅ローンはありませんが、債務者としては、
せっかくのマイホームですから、地震保険にも加入しておきたいでしょう。
このように、火災保険料や地震保険料が上がっているのは、日本の気候が変化し、
災害が起こりやすくなっていることが原因ですが、保険料を上げすぎると、
肝心の加入者が減少する可能性もあり、これ以上の値上げは慎重にする必要があります。
金利面では有利な状況が続いている住宅ローンですが、それに伴う諸費用は
むしろ増加している点に、留意して下さい。