新居に新車はぴったりですが
郊外のベッドタウンに行くと、新しい建売住宅の横に、新車のミニバンが
駐車してある風景に出会う事が多いです。
確かに、新居に新車はぴったりかもしれませんが、この新車は何となく
流れで購入することも多く、注意する必要があります。
今回のコラムでは、新居と同時に新車を購入することのリスクについて
考えます。
住宅ローンの目的外使用は禁止です
まず注意したいのが、現在の異常に低い低金利を悪用して、建売住宅の
住宅価格を水増し、住宅ローンで新車を購入する方法です。
これは、建売住宅を成約したい業者主導で行われることもあれば、
オートローンと比較して、低金利な住宅ローンで車を購入したい
債務者側から行われることもあります。
特に、頭金なしのローンで行われる事例が多く、金融機関側も
不審な点があれば追究します。
住宅価格の水増しは、立派な犯罪であり、住宅ローンの目的外使用が
発覚した場合、全額繰上償還の対象となります。
その新車、本当に必要ですか
車の維持費は、車種にもよりますが、年間70~90万と言われています。
この数字の根拠は、車に11年間乗り、ガソリン代や税金、車検、任意保険代
などを全て足して、年換算した値です。
確かに、郊外でどうしても車が必要な場合もあると思いますので、
金額だけでは判断出来ません。
また、車は所有する喜びもあり、これも金額換算出来ません。
しかし、ほとんどの人は上記の金額ほど、車を活用しているか尋ねられると、
自信を持てないのではないでしょうか。
特に、近年は車を所有することから利用することに重点が移っており、
皆で車をシェアする、カーシェアリングの普及など、以前とは車に対する
考え方が変わってきています。
住宅ローンとオートローンが重なった場合、オートローンの金利も低下
していますが、予想以上に家計に占めるローン返済割合は増加します。
また、車を売却したとしても、新車はナンバーが付けば半値になるので、
結局はオートローンの残債だけが残ってしまいます。
新居に新車はぴったりですが、住宅ローンの返済が落ち着いてから、
資金的に無理のない新車を購入されることをお勧めします。