アメリカ経済は回復、日米金利差拡大で上昇圧力
トランプ大統領誕生後、政治は混迷を続けていますが、強いアメリカを取り戻すために
アメリカに工場を誘致し、雇用を増やす政策は着々と進められています。
これを受けて、アメリカではNYダウが史上初めて2万ドルの大台を突破、アメリカの
長期金利も景気回復を受けて上昇しています。
トランプ大統領は、中国や日本がアメリカに製品を輸出することで、利益を上げることに
反対の姿勢を貫いています。
しかし、強いドルを目指すことはアメリカの国益でもあり、アメリカ経済の好調と相まって、
ドル高・円安の流れとなっています。
これを受けて、日本では円安を好む株式市場が値を上げ、長期金利も景気回復期待から
上昇圧力がかかりやすくなっています。
なお、住宅ローンには変動金利と「フラット35」に代表される、長期固定金利がありますが、
長期金利の上昇が影響するのは長期固定金利の方です。
変動金利に関しては、日銀が量的緩和により、資金を大量に供給しているため、資金重要の
逼迫ということが起こりにくく、当面は横ばいが続く見込みです。
日銀の0.1%ラインが市場参加者にどこまで伝わるか
では、長期金利に上昇圧力がかかりやすくなっている、長期固定金利はどうでしょうか。
まず確実に言えることは、昨夏のような長期金利がマイナスになることは、もうないということです。
従って、昨夏の長期固定金利の水準がボトムと言えますが、物価上昇率2%を意地でも達成したい
日銀にとっては、長期金利の上昇は厄介なだけです。
日銀は、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」において、長期金利の誘導目標を0%に設定すると
明確に示しました。
しかし、アメリカ経済の好調などで、長期金利は0%を上回り、2月中旬には一時0.095%と0.1%近くまで
上昇しています。
これには、市場参加者の日銀に対する不信感が影響していましたが、0.1%近くまで近づくと、長期金利を
引下げるために、国債の買い入れを積極的に行うなど、0.1%ラインの存在を明確にしました。
これを受けて、現在の長期金利は0.5%前後で推移しており、日銀がスタンスを変えなければ、上昇圧力は
そこまで強まらない見込みです。
現在の長期固定金利の水準は、「フラット35」でも1%台前半であり、住宅ローン利用者にとっては
利用しやすい環境が続くでしょう。