独自路線が裏目に、三菱UFJFGが狙い
地方銀行の再編が着々と進む中、他の大手銀行も再編の噂が消えません。
そんな中、三井住友信託銀行の行方に注目が集まっています。
三井住友とあるので、三井住友FG入りしていると勘違いしている人が多いのですが、
旧住友銀行と旧住友信託銀行時代からの確執が影響して、現在の所は、独自路線を貫いています。
ただし、信託銀行が今後も独自路線を維持するのは難しいと考えられ、メガバンクなどとの統合が噂されてきました。
そんな中、今年度の住宅ローン市場は昨年三井住友FGに首位を明け渡した、三菱UFJFGの猛烈な巻き返しで、
三菱UFJFGの首位奪回がほぼ確定しています。
この動きは、三井住友FGから首位の座を奪い返すためと見られていましたが、業界の間では、本当の狙いは、
三井住友信託銀行を傘下入りさせるためともいわれています。
三菱UFJFGは、既に三菱UFJ信託銀行を傘下に持っていますので、三井住友信託銀行を入れることが出来れば、
信託部門を一気に強化できます。
そのためには、住宅ローン分野で頑張っていた、三井住友信託銀行を潰す必要があったのです。
三井住友FG入りが既定路線、社長は大局的な決断を
仮に、三井住友信託銀行が三菱UFJFGに飲み込まれるようなことがあれば、鉄の結束を誇る住友にとっては
恥をさらすことになります。
また、三井住友FGは既に自前でSMBC信託銀行を設立しており、当然の流れであれば、
ここと合併して三井住友FG入りするのが筋です。
主導権を握られたくないばかりに、独自路線を貫いてきた三井住友信託銀行ですが、メガバンクに吸収されたら、
その辺りはある程度覚悟する必要があります。
銀行名に三井住友と書いておきながら、吸収されると自分達の地位や名誉が失われると、言わば三井住友信託銀行だけの
わがままを通してきたに過ぎません。
三井住友信託銀行の社長は、今後厳しい決断を迫られると思いますが、三井住友FG入りするのが既定路線と言えるでしょう。
自分達の地位や名誉も大切ですが、顧客本位の大局的な決断が望まれます。