不動産売買の仲介には通常、仲介手数料が発生します

自宅を所有していると、不動産仲介会社から毎日のように、「売り物件求む」といったようなチラシが
郵便受けなどに入っている方も多いのではないでしょうか。

特に、これから各社3月の決算期を迎え、売り物件がなければ始まらないので、今後ますます増えていく
ことが想定されます。

このようなチラシを一般の方が見たとき、通常は他人に売るために不動産仲介会社に連絡し、
無事に成約したら、不動産仲介会社に手数料を支払わなければならないと考えるはずです。

この考え方自体は正しく、不動産売買を仲介した場合は仲介手数料として、物件価格の3%+6万円(速算式)を
不動産仲介会社に支払う必要があります。

この仲介手数料は物件によりかなりの負担になることもあり、例えば5,000万円で売買を仲介して貰った場合は、
上記の速算式に当てはめると、156万円もの負担になります。

では、この仲介手数料がかからないとしたら、不動産を売ろうとしている人はその不動産仲介会社のチラシに
注目し、行動するはずです。

仲介手数料不要とうたっているが・・・

この心理をうまく利用したと考えられる、不動産仲介会社のチラシを最近見かけました。

チラシ自体は他社のものと大差ありませんが、「仲介手数料不要」とわざわざ書いてあり、どんな時も
仲介手数料がかからないような書き方です。

私自身も一瞬、ではどこから収益を上げているのかと、考え込んでしまいました。

しかし、その横にある文言で納得しました。そのチラシはあくまで、不動産仲介会社が「買い取る」ものだった
からです。

不動産仲介会社が直接買い取る場合は、仲介している訳ではありませんので、確かに仲介手数料はかかりません。

ただ、不動産仲介会社は通常、高値での成約が期待出来る仲介業務で仲介手数料を得て、商売が成り立っています。

「買い取り」はそれでもダメだった物件を、不動産仲介会社が仲介よりもかなり低い値段で買い取るもので、
わざわざチラシには載せません。

恐らく、自社のチラシに注目して貰うためだと思いますが、このようなチラシをまく不動産仲介会社は
かえって信用を落としているように感じました。

チラシ1枚からでも、不動産仲介会社の誠実さがわかる出来事でした。

 
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