区分所有のリスクにはどんなものがあるのか?
マンションやオフィスビルなどの建物のうち、独立した各区分を別個に所有することを区分所有と言います。共有部分の管理をしなくてよいほか、少額の資金で購入できる、売却しやすいなどのメリットがある一方で、所有する部屋の絶対数が少ないため、空室となった場合、相対的に低下する収益率が高いというリスクがあります。例を挙げると、50部屋あるマンションを一棟丸ごと購入した場合、空室が1つ発生すると収益率は2%とりますが、区分で1部屋のみ所有する場合だと、収益率の低下は100%となってしまいます。
人口の多い都心のエリアの物件を購入する
そうした区分所有の空室リスクを軽減する上で重要なのが、首都圏など人口の多い地域の物件を購入することです。地方だと、エリアの中核となる企業が移転したり、規模を縮小したりすることで、人口の流出が起きやすく、その動向の影響を大きく受けてしまいます。
ワンルームタイプの物件がおすすめ
またアパートやマンションには、ワンルームタイプのものとファミリータイプのものとがありますが、ワンルームタイプのマンションに投資する「ワンルーム投資」も空室リスクを軽減する上で有用です。ファミリータイプの場合、賃料こそ高めに設定できますが、その分、借り手が退去した場合、新たに入居者を見つけるまでにより時間がかかります。他方、ワンルームタイプであれば、入居期間は短い傾向にあるものの、単身世帯が増える傾向にあることも手伝って、入居者が見つかりやすいと言われます。またファミリータイプの場合、面積が大きくなるため、修繕費用が多くワンルームに比べて多くかかることも覚えておきたい点です。
住居ではなくオフィスという手も
住居よりもオフィスビルを選ぶのも、空室リスクを下げるのに有効です。例えば木造アパートの場合だと、20年ほどで建て替えについて検討し始めなくてはなりません。つまり資産価値が下がるのが早く、空室が発生しやすいと言えます。他方、鉄筋コンクリート造もしくは鉄骨鉄筋コンクリート造のオフィスなら、表面的な補修だけでさらに長い期間、資産価値を維持することが可能です。またオフィスの場合、退去時の原状回復費用が入居者負担であることやバスルームなど水場が少ないため、メンテナンスに手間と費用がかからないということも知っておきたい点です。