1月も半ばを過ぎ、そろそろ確定申告の季節になってまいりました。
この時期、駆け込みでの確定申告業務のご依頼をいただくことも多いのですが、昨年末から、ご自宅の売却に係る申告のご相談を多数いただいています。
数年前に買ったマンションの価格が高騰し、このタイミングで売ろう、とご自宅の売却に踏み切った方が多くいらっしゃったようです。
【不動産売却時の税金】
不動産を売却した際にはその儲けに対して税金が課税されます。
取得から5年を超えて売却した場合には、儲けの20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。
取得から5年以内に売却した場合には、約2倍の39.63%(所得税30.63%、住民税9%)もの税金がかかります。
儲けは、売った金額と買った金額の差額です。
この時にご注意いただきたいのは、建物は減価償却により、年々価値が下がって行きますが、売った金額と比較するのは、減価償却をした後の価額だということです。
例えば、3,000万円で購入したマンションを、3,000万円で売却した場合、一見、買った金額と売った金額が同じなので儲けが出ていないように見えます。
しかし、実際には購入してから売却するまでの減価分を考慮した上でそのマンションの現在の価値は2,500万円だという計算になったとすると、500万円の儲けが出ていることになります。
買った金額よりはるかに安く売れて、明らかに損をしているという場合はともかく、ちょっと安く売れた、というような場合には、儲けが出ていないか慎重に計算した方が良いでしょう。
【納税資金の確保】
売却して手元に入ってきたお金から税金を払うので、通常は税金を払えないということはないのですが、ご注意いただきたいのが、税金を支払うタイミングです。
所得税は確定申告時にあわせて納付します。つまり、売却した翌年の3/15が納付期限となります。(振替納税の手続きをしている場合には、4/20頃)
また、住民税は売却した翌年の6月以降に支払うこととなります。
例えば1月に不動産を売却した場合、税金を納めるのは1年以上先となるわけです。
(例)<前提>H29.1月に不動産を売却。所有期間5年超。儲けは1,000万円。
⇒H30.3.15までに確定申告。1,531,500円の所得税を納付。
H30.6月以降に住民税500,000円を納付。
人間、手元にお金があると使ってしまうものです。
多額の売却資金を得たハズなのに、確定申告をして納税をする段階になって、全然お金が無くて税金が払えない、どうしよう、と仰る方がたくさんいらっしゃいます。
儲けの2割(短期所有の場合は4割)は翌年必ず払わなければならないのだということを頭に置いて、しっかりと納税資金を準備しておくようにしましょう。
なお、ご自宅の売却などの場合には、控除額等の特例があります。
次回のコラムではその特例等につきお話ししたいと思います。