こんにちは!
土地価格が高い物件は融資を受けやすい!
先月のコラムで書いた不動産融資、不動産投資の基本の1つです。
じゃあ、土地価格が高い物件を買えばよいのでしょうか?
それは「正解」でもあり、「不正解」でもあります。
どういうことでしょうか!?
融資を受けやすい=買いやすい=転売の際も安心
ですよね?
日本ではまだまだ最後は土地価格!という考え方が根強いので、いざとなったときの(例えばテナントがいなくなってしまったときなど)売却価格の下支えになる、とも言えます。
ここまではいいですよね?
じゃあ、なぜ「不正解でもある」のでしょうか??
それは、、
「不動産投資の目的による」ということです。
???どういうことでしょう???
不動産投資の目的が、「収益を上げたいから」なのか、「相続対策をしたいから」なのかということです。
収益を上げたいのが主目的なら安心感もあり正解でしょう。
一方、相続対策をしたいから、ならどうでしょう?
不正解の場合もあるかもしれません。
相続対策の場合は土地の評価が高いとあまり有利ではありません。
つまり、相続対策で不動産を購入したのに、十分な効果が出ないことがあるということです。
ここでも、さらにもう一つ落とし穴、というか盲点があります。
土地価格が高いって何?
ということです。
言い換えれば「ここでいう土地価格って何?」
ということが重要なんです。
少し複雑なので付いてきてくださいね。
土地価格が高いって言った時の土地価格って、普通は土地の時価、つまり売れる値段ですよね。
でも、相続税を算定する場合の土地の相続税評価は、「相続税路線価評価」が一般的です(例外あり)。
道ごとに相続税路線価っていうのが決まっていて(ネットで取れます)、その価格が基本となるわけです。
通常はそれは国が考えている時価である地価公示価格の水準の80%とされています。
逆に言うと相続税路線価の1.25倍が時価ということになります。
不動産を買うと現金で持っている場合より2割相続税評価が下がるのです。
だから売れる値段よりも相続税評価額が低くなりがちなので、相続対策で不動産を買うということが起こるわけです。
貸家の場合は相続税評価額がもっと下がります。
でも相続税路線価の1.25倍で全ての土地が売れるわけではありません。
場所によっては路線価の2倍以上で売れるところもある(つまり路線価の2倍以上が時価)
一方、路線価でも売れないエリアもあるのです。
土地価格が高いという場合の土地価格の定義には気を付けたいものです。
融資の際も、路線価による評価が高いと融資をしやすいという金融機関もあれば、あくまでマーケット価格を見てくれて、その土地評価が高ければOKというところもあります。
融資面でも土地価格の定義が大事だということなのですね。
不動産鑑定士/不動産コンサルタント
成田 隆一
土地価格が高いっていう場合の土地価格が路線価だと相続税対策にはなりにくいということです。