司法書士の成田尚志です。
今年も早1/6が終わろうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか?
私はまだ確定申告が終わりませんTT
売主の必要書類も残り少なくなってきました。
今回は⑥「登記原因証明情報と委任状」について解説します。
これまでは権利書や印鑑証明書といった売主さんが所持しているもの、
売主さん自身や仲介業者さんなどに取ってもらうものでしたが、
この登記原因証明情報と委任状は通常ですと司法書士が準備します。
売主さんはそれに署名捺印をするだけです。
ですから、他とは区別して最後のほうにまとめて挙げています。
売主さんが注意して揃えるものではありませんので、
参考程度に読んでおいていただければと思います。
さて、委任状はともかく、「登記原因証明情報」というのは
あまり耳慣れない単語ではないでしょうか?
これは何かといえば、読んで字のごとく「登記原因を証明した情報」
なんです^^
ほとんどの登記には原因が存在します。
原因となる事実が発生したからこそ登記をすると言ってもいいでしょう。
ならば登記を申請するにあたってはその原因を明らかにすべし
ということで提出が要求されています。
「証明書」ではなく「証明情報」となっているのは、
登記手続は全面的なオンライン化を目指しており、
書面以外の電磁的記録で提供されることも想定しているからです。
現実にはほとんど書面で作られていると思いますけどw
ちなみに、登記をオンラインで申請するにあたっては、
この登記原因証明情報をPDF化して添付することが必須です。
そして、添付された登記原因証明情報に不備があった場合、
それが軽微なものでも原則として申請をいったん取り下げなければ
ならないとされていますから、司法書士としてはかなり緊張します。
「だからオンラインは怖いので一切やらない」という司法書士が
たまにいます。
しかし、酷だなとは私も思いますが、それはプロ失格ではないかと
個人的には考えます。
委任状は登記手続に限らずいろいろな場面に出てきますね。
要するに「誰かに何かを頼んだ」ことを明らかにした書面です。
登記にあたり記載しなければならないことは多々ありますが、
それは司法書士のほうで注意すべきことなので割愛します。
売主さんは署名捺印をきちんとしてくだされば、
それでよろしいかと思います。
一般論としては「おかしなことを委任させられていないだろうか」
ということを確認したほうがよいです(白紙委任状に署名捺印する
のは非常に危険です)が、ちゃんとした司法書士が用意してきた
登記用のものであれば、まず問題ないでしょう。
売主さんが委任状に押す印鑑は実印が要求されています。
なにしろ不動産を手放すという重大な行為ですから、
通常は本人しか押せないはずの実印を押させることで、
登記申請意思に間違いがないことを確認しようというのです。
第2回で解説した印鑑証明書を添付するのは、この委任状に
押した印鑑が実印であることを証明するためです。
ですから、この印鑑はただ押してあればいいというわけではなく、
それなりに厳格な審査がありますので、鮮明に押してください。
司法書士に任せて押してもらう方がいいかもしれません。
捨印もなるべく押していただきたいですね。
私を含めて司法書士は誰もが間違いのないよう十分確認して
書類をお持ちしているはずですが、人間ですのでたまには
誤記をしてしまうこともあります^^;
そうした場合、捨印があれば堂々と訂正できますが、
なければ押し直しをお願いするなど面倒なことになりますので、
お互いの負担を軽減するためにご協力をお願いいたします。
モグリの司法書士とかでなければ悪用はしませんので、
ご安心ください。
住所と氏名を書く際は……
長くなったので、それは別の機会ということにして先に進みます。
次でようやく概説が終わります^^
それまでどうぞお元気で。
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