司法書士の成田尚志です。
売主の必要書類の⑤「土地・建物の28年度固定資産評価証明書」の続きです。
「ちなみに、意外に思われることが多いのですが……」からですね。
意外に思われることが多いのですが、
この評価証明書は司法書士が職権で取ることはできません。
取るには所有者からそのための委任状をいただく必要がある点では
一般人と変わらないのです。
そのため、売買案件では仲介業者さんに取っていただくことが多いです。
正確には売主さん側の仲介業者さんですね。
この方が早めに動いて評価証明書を送ってくれればよいのですが、
そうでないと結構困ります。
買主さん側の仲介業者さんからは登記費用を早く出して欲しいと
催促されることが多いので尚更です(><)
もうひとつの方法として、売買契約書の写しを登記所に提示して、
登記所から管轄の役所宛に交付依頼書というものを発行してもらって
取りに行くというやり方もありますが、手間がかかりますし、
その費用は売主さんにご負担願うことになるはずですので、
お互いのためにできれば避けたいものです。
誰が実際に取るにしろ、所有者から委任状をもらう方法にしても
交付依頼書を取得した上で取る方法にしても、無意味な負担であり、
不動産取引の円滑化を阻害している
としか言いようがありません。
評価証明書も登記簿謄本(現在は正確には「登記事項証明書」と言います)
と同様に手数料を納付すれば誰でも取得できるようにして
何の問題もないはずですし、そこまでしないとしても、
せめて司法書士には職権で取らせてもらいたいものです。
今や司法書士は、その多くが簡易裁判所での手続ができるようになった
一方で、未だに評価証明書を職権で取ることすらできないことが、
また、その現状を改善しようという意欲が司法書士側にもほとんど
見受けられないことが、私は昔から不思議でなりません。
さらに余談ですが、ようやく取れた評価証明書も、
都税事務所のように道路など固定資産税が非課税の物件については
価格の欄に「非課税」としか記載しないため、そのままでは
実は使い物にならない場合があります。
固定資産税が非課税であっても登記にあたっての登録免許税は
課されますので、こうした物件については一定の計算式に基づいて
道路としての評価額を算出する必要があります。
そうしたことをちゃんと理解していて、道路についても評価額か
計算の元になる平米単価を記載してくれる立派な自治体もありますが、
固定資産税を取ることしか興味がなく不動産取引の円滑化に
寄与することなどまったく頭にない都税事務所の姿勢は、
その対極にあると言えるでしょう。
昨今何かと話題になる都政ですが、小池都知事には是非
都税事務所改革をお願いしたい
と個人的には思います。
すみません、話がおもいっきりズレました。
評価証明書に関しては、建前上は必要書類とされてもいないというのに
現実にはいろいろな意味で苦労が多いため、
どうも愚痴っぽくなってしまいます^^;
今回はここまでです。
ようやく終わりが見えてきました。
それでは、まだまだ寒い日が続きますが、お元気で。