私の友人の銀行員の話

私の友人は、とある地方銀行で働いています。有名大学を卒業して、エリートコースまっしぐらの彼は、現在は年収1500万ぐらいだと言っています。エリートコースまっしぐらであるため、朝は子供が起きる前に家を出て、帰ってくるのは子供が寝た後なのだそうです。そんな多忙な彼でも一年に一度ぐらいは、同級生である私たちと会って話をします。年収も十分にあって子供もいるなら、誰でもマイホームぐらいは買うだろうと思うのですが、彼は不動産を所有していないのです。だったら、いずれは帰るべき実家があるのでは?と思われがちですが、それも違うのです。彼にはお兄さんがいて、実家はお兄さん家族が両親と一緒に暮らしています。つまり、彼は高収入で相続する予定の実家も無いにもかかわらず、マイホームを買っていないということになります。どうしてなのかと不思議に思った私たちは、「何故、マイホームを建てないのか?」と彼に訊いてみました。彼の答えはこうでした。「俺は銀行マンで、企業にも個人にも融資している。企業でも個人でも、「事業」に融資した金は、会社がうまくいかなくなったら、すぐに人は会社を手放すが、マイホームを建てた個人はそうではない。マイホームを建てた人間は、自分のものだから、あるいは子供のために必死で不動産を守ろうとする。住宅ローンってやつはそういう意味で「オイシイ」確実に稼げる俺たちのメシのタネなんだ。銀行だけじゃない。国や地方公共団体にとっても不動産を持ってるやつは確実に税金を払ってくれる「オイシイ」メシのタネなんだよ。それを知ってるから俺はあえて不動産に固執するのはバカバカしいと思っているんだ。子供たちにそう教えているよ。」

不動産を売却する決意

この話を訊いてあなたはどう感じたでしょうか?あなたは不動産に固執していませんか?子供のため、家族のためだと思って、その心理を逆手に取っている金融機関や国や地方公共団体の思うツボにはまっていませんか?それともあなたはそんなことは考えないくらいお金に余裕があるのでしょうか?おそらくほとんどの人は住宅ローンに追われ、固定資産税に追われ、必死で不動産を維持されていると思います。ほんとうにそんな必要があるのでしょうか?人生にはもっと大切なものがあるのでは?たとえば住宅ローンに縛られない「自由」などです。もしあなたが不動産を維持していないとするならば、最低限、住まいに掛かる費用を自由に選択することができます。先日私は、一時、日本人なら誰でも知っているような「ある食品」を開発された方が、裕福になり、その後、詐欺に遭って会社を乗っ取られてしまった話を本で読みました。その方はこう言っています。「会社を乗っ取られ、借金を抱えて僕は、四畳半の部屋で、今日食べるものすら買えなくなりました。そのとき僕が天井を見上げて思ったのは、『屋根があって雨をしのげる。壁があって風がしのげる。これってなんて幸せなんだろう。』ということでした。私はそこから人生をやり直すことができました。」

 
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