不動産の権利証がない!!さて、どうする。
いざ不動産を売却することになったとき、あれ?!権利証がない??と大慌てする人。多少ながらいるんです。大事なものだとは知っていたので、大事に保管していたはずなのに、あれ?!ない!!・・・。そんな時は、どうすればいいのでしょうか。もしかしてもう売却はできない?!そんなことはありません。ちゃんと、権利証を失くしてしまった場合の対応策があります。
そもそも権利証ってどんなもの?!
不動産登記法は平成16年に大改正がなされ(施行は平成17年3月)、オンライン申請に対応できるように、さまざまな制度が変更・修正されました。その中でいわゆる従来型の「紙の権利証を発行する方法」から「登記識別情報というアラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号を通知する方法」へと改正されました。この通知は、通知書として発行してもらうことができ、その場合は自分以外の第三者が簡単に見られる状態にならないように、シール又は紙を折り込むことによって、目隠しをされた状態で発行されています。司法書士や不動産屋さんから「権利証を確認させてください」といわれたら、「紙の権利証」または「登記識別情報」のことを示しています。
権利証ってなんで大事なの?!
この権利証、なぜ大切なのかといいますと、所有権移転の際の添付書類となるからです(不動産登記法第22条)。所有権移転の際、名義を移転する際の義務者となる現所有者がその不動産に関する権利証を差し出すことによって、真の所有者であるという推定が働き、虚偽の登記をすることを防止する役割があります。そのため、権利証がない場合は、真実の所有者であるという証拠が足りないこととなるため、事前通知または本人確認という代替手段が用意されています。
資格者による本人確認情報提供制度とは
司法書士が本人と面談のうえ、免許証等など公的書類を本人から提示をしてもらい、権利証を紛失した経緯などの聞き取り等をした結果を本人確認情報として権利証の代わりに法務局に提供するものです。聞き取りの中では、本人であることを判断するために、固定資産税の納税通知書、水道光熱費の明細書や不動産を取得した際の売買契約書等を持参してもらうなどして、本人であることを確かめるための補強資料をお願いする場合もあります。
代替手段があるなら権利証がなくても大丈夫だね?!
代替手段があるとはいえ、司法書士に本人確認情報を作成してもらうためには、司法書士に対する報酬がかかります。また、権利証の行方が分からないというのは、悪用されてしまうかもという不安も常について回るので、やっぱり権利証は大切に保管をして失くさないようにすることが一番です。登記識別情報通知には、万が一紛失してしまったら失効制度というのもありますので、その際は司法書士に相談してみてくださいね。