価値観は人それぞれですが、とはいえ誠実な人を嫌う人や、整理整頓された状態を嫌う人はそう多くはないでしょう。
「家を売りに出しているけれどなかなか売れない。値段を下げようか…」と悩む方はいらっしゃると思いますが、価格より先に家そのものを見渡してみましょう。
その理由は…。
私はもともと不動産会社やハウスメーカーの営業マンだったので、商談はお客様宅へ伺ってすることがほとんどでした。ファイナンシャル・プランナーの仕事になってもそれは変わっていません。まあ、住んでいる地域が人口9万人弱なのでFPへの需要は多くなく、事務所に来てもらうよりも人の多い街に出て仕事することが多いもの理由なのですが。
FPとして自宅に伺ってライフプランニングの話をすることはとても大事なことなんです。
理由は二つあり、ひとつは、ライフプランニングの話をしているときに、確認したい数字やら書類やらをすぐに知ることができることは自宅でご相談にあたるメリットです。もう一つは、その人の生活感を垣間見たり感じられるからです。家の内外はその人の様々なものを映しだします。テイスト(和か洋か)、家族構成、家族の関係性、金銭感覚(自分を基準にして)、教育方針、性格などなど、玄関に入っただけでも得られる情報は多くあります。
そのような雰囲気を感じつつ、この人の趣味に合わせたライフイベントとしてこんなことも考えられるかな?と予想しながら話を進めることもできます。それだけ家というものは個人の価値観が映しだされるものです。
住宅を売却するにあたり、引っ越してから売るのなら家具などは一切ないわけですから生活感はさほど感じさせません。しかし中古住宅の場合、売れたら引っ越すというのが多いです。
そうすると見学に来た人に内覧しもらうわけですね。そうすると私たちみたいなプロではないにせよ、生活感は感じるわけです。
皆さんも初めてお邪魔した友達の家で、今までのその人のイメージと「あれっ!違う!」と思われたことはありませんか?
経験則ですが、その時に見学者が受け止めた「好印象」は売れる確率に比例していると思います。好印象とは、家の内外の小ぎれいさ、というか丁寧に使われている感じや、住んでいる人と見学者のフィーリングも含まれます。
家を売ろうかなと考えている方は、ぜひとも家の外から中まで、自分の目線ではなく他人が見たらどう見えるかな、という目線で見まわしてみて下さい。端的に言うと、大掃除はしなくて良いので、ドン・キホーテのようなゴチャゴチャした家になっていないか、徹底的に整理整頓をするということです。どのみち引越しするときには整理するのですから先にやってしまいましょう。