前回は、ヴィンテージマンションの定義についてお話いたしました。今回は、「一度は住んでみたい、ヴィンテージマンション その2」と題し、ヴィンテージマンションの歴史についてお伝えしてまいります。
ヴィンテージマンションの歴史
ヴィンテージマンションは、古い物件ですが、趣のある価値あるマンションというイメージはお持ちいただけたかと思います。
では、ヴィンテージマンションは、いつぐらいから建て始まったのか、その歴史を振り返っていきましょう。
マンションが建ち始めたのは、「建物の区分所有等に関する法律」(通称マンション法)が施行された昭和37年(1962年)以降です。
時あたかも現在のように、東京オリンピック開催を2年後に控え、東京のいたるところで槌音が響いていた時代です。
高度経済成長が目に見て実感され、新幹線建設や首都高速道路が急がれていた時代でもあります。
そのような時代背景の下、東京中心部に少しづつマンション建設が始まりました。その立地の多くは、港区に集中しており、昔ながらのお屋敷街と呼ばれているところに、点在しています。
ヴィンテージマンションシリーズ
今、ヴィンテージマンションと呼ばれている物件は、シリーズで建てられているものも数多くあります。
まず、皆さん一度は目にしたことがあるであろう、秀和レジデンスシリーズ(昭和39年~)です。南欧風の青い瓦屋根と白い塗り壁が印象的で、バルコニーが各部屋に配置されています。
ホーマットシリーズ(昭和40年~)は、日本在住の外国人向けとして建設されました。その当時、日本に居留していた外国人たちは、自分たちのライフスタイルに合わせた賃貸レジデンスを求めていました。近代的な日本建築の特徴を踏襲しながら、彼らの要求を満たした設計となっており、石造りの塀や石畳、緑を多く配した庭に灯篭や池を配置するなど、ホーマットシリーズの特徴が現在まで継承されています。
シャトーシリーズ(昭和39年~)は設計、建設、分譲、管理のすべてを黒川建設が手掛け、港区はじめおおよそ15の物件があり、今もその高級感は失われていません。中でも港区三田2丁目に建てられた「シャトー三田」は、住民による老朽化による立替えが決議され、その後の事業には清水建設、野村不動産、三井不動産レジデンシャルが関わり、「マンション建て替えの円滑化等に関する法律」により、東京都で25番目の事例となりました。旧マンションは、8階建て95戸の規模でしたが、隣接地を取得しながら、24階建て270戸のマンションに生まれ変わりました。
ドムスシリーズ(昭和52年~)は、計20棟建てられたマンションで、すべて麻布、青山などの一等地に建てられました。天井高は2.8~3.0m、内外装にとてもこだわりを持ち、メープル、チーク、マホガニーなどを使用し、キッチン、浴槽、便器、ドアハンドル、照明など、ヨーロッパの一流ブランドの物を使用するなど、こだわりの物件です。またマンション管理も徹底しており、永く住みやすい物件の秘訣は、管理がいかに徹底されるかだと、うたっています。
(以下次号)
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