前回は、「「トランプ氏が大統領候補になって住宅ローン金利は上がる?下がる?その2 その後の金利動向」というテーマでお話ししました。今回は、ガラッとテーマを変えて、収益不動産をいかにして高く売却するか、その極意を2回に分けてお伝えいたします。
最近の不動産市況
不動産市況について、よく巷間いわれているのは、オリンピック開催年の2020年頃までは不動産市況は活況が続く、このビックイベントが終了すると、市況もリセッションに入る、ではないでしょうか。
しかし最近では、不動産の活況な市況が終わるのは、2018年だ、いやもっと早まって2017年だ、とその終焉時期が少しずつ早まっているように思えます。
見方によっては、すでに不動産価格のピークはすでに到来し、リセッション期間に入った、ということも言われています。
不動産価格の代表的指標の一つである、J-REIT指数の今年に入ってからの推移を見てみますと、1月21日に1620の今年最安値を付けた後、多少の上下はあったものの4月25日に今年最高値の1970を付けました。その後、下落トレンドに入り、直近の11月28日は1770前後を推移しています。
このような環境下で、今お持ちの不動産を少しでも高値で売るためには、そうしたらよいか、そのヒントをお伝えしていきましょう。
収益物件への投資の勝ち負けは、売却してから決まる
収益物件の仕組みは、金融商品に例えると債券に近しい商品といえます。
債券の種類は大きく新発債と既発債に分類されます。これを収益物件にあてはめますと、新発債が新築物件、既発債が中古物件(オーナーチェンジ物件)とも見ることが出来ます。
その仕組みは、まず購入時の価格があり、購入後定期的に利息収入、または家賃収入が入ってきます。そして債券の場合、満期が来たら償還され、現金が戻ってきます。一方収益物件は、満期という概念がないので、自分が売却するという意思を固めるまで、持ち続けることが出来ます。
そして、購入時と売却時の価格差が売却差損益となります。
所有期間にわたり、利息収入または家賃収入が入ってきますが、その家賃収入トータルより、売却時の損失が上回ってしまうと、収益物件の投資は負けたことになるわけです。
しかし、わかりやすくするため、単にキャッシュフローだけの勝ち負けを言っていますので、税金がセーブできることも考慮に入れると別の見方もできます。
次回は、物件を売却しようと決断した場合、少しでも高く売れる方法をお伝えしてまいります。