前回は、「トランプ氏が大統領候補になって住宅ローン金利は上がる?下がる?その1 特にフラット35の金利の決まり方」という内容でお話しいたしました。今回は、「「トランプ氏が大統領候補になって住宅ローン金利は上がる?下がる?その2 その後の金利動向」というテーマでお話してまいります。
トランプ氏が大統領候補になったのちの金利
では、トランプ氏が第45代アメリカ大統領候補となった日以降の国債の金利の推移を見ていきましょう。
まず、フラット35の金利の基準となる10年物国債の金利から見ていきましょう。
国債金利情報
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平成28年11月
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基準日
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10年
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H28.11.1
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-0.048
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H28.11.2
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-0.058
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H28.11.4
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-0.059
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H28.11.7
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-0.048
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H28.11.8
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-0.063
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H28.11.9
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-0.073
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H28.11.10
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-0.043
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H28.11.11
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-0.027
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H28.11.14
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-0.013
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H28.11.15
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0.007
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H28.11.16
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0.023
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H28.11.17
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0.013
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H28.11.18
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0.044
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H28.11.21
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0.033
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H28.11.22
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0.032
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H28.11.24
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0.037
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H28.11.25
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0.039
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出典 財務省HP
選挙結果が発表されたのが日本時間の9日水曜日ですが、トランプ氏就任がマーケットにポジティブな影響を与えると捉え始められると、金利が上昇し始め、15日にはプラス圏に浮上しました。
18日には0.044%まで上昇しましたが、直近では0.03%台で推移しています。
日本の国債金利の上昇は、アメリカ国債の金利上昇につれている面が大きいと思います。
米連邦準備理事会(FRB)は23日、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公開し、その中で12月中旬に開催される会合での利上げを示唆しました。
マーケットの反応も、90%超の確立で来月の利上げが織り込まれています。さらに市場は来年2017年の利上げペースに関心が移り、中でもゴールドマンサックスは「17年に3回の追加利上げがある」と予想しています。
マーケットがこのような予測をする背景には、トランプ次期大統領が巨額減税とインフラ投資という財政膨張政策を打ち出しているからです。
変動金利の動向は?
一方、住宅ローンの変動金利はどのように決まるのでしょうか。
これは、「無担保コールレート・オーバーナイト物」という指標が基準となっています。この金利は日銀の政策金融でコントロールされています。この金利は短期金利指標を代表するもので、銀行が企業に貸し出しする際に使用する、「短期プライムレート」などに影響を与えます。住宅ローンの店頭金利はこの「短期プライムレート+1%がおおよその金利となります。
最新の変動金利を見ていきますと、各社とも0.4%~0.6%の間で金利を設定しています。
今後住宅ローン金利はどうなる?
ここまで、固定金利の代表格であるフラット35と変動金利の現状をみてきましたが、今後の動向はどうなるでしょうか?
ズバリ、こうなるということは神のみぞ知る領域になりますが、おおよそのトレンドは、
固定金利は若干上場傾向
変動金利は現状維持
ということになりそうです。
とはいえ、10年単位でのロングスパンで俯瞰してみますと、まだまだ超低金利時代は継続するのではないでしょうか。