前回は、エンドユーザーの人たちがなかなか土地情報を得られない理由をお話ししました。
今回は「トランプ氏が大統領候補になって住宅ローン金利は上がる?下がる?その1」
という内容でお話していきます。
住宅ローンの金利決定の仕組み
トランプ氏が第45代アメリカ大統領候補となった選挙から早くも1週間が経ちました。大方の予想を覆す結果となり、金融市場も選挙戦当日は、乱高下しました。特に日経平均は、トランプ氏有利の報道がなされると、徐々に下げ始め、選挙開票当日の9日の終値は前日比919円安の16,251円となりました。
ところが、翌日になるとこの暴落を打ち消す暴騰相場となり、前日比1,093円高の17,344円となりました。
私は常日頃、お客様に数多ある金融商品にとって、一番大切な指標は何だかご存知ですか?とよく質問します。
皆様も考えてみてください。
その答えは、、、、
そうです。 「金利」 です。
世の中の金融商品で、金利の影響を受けない商品は皆無です。普通預金、定期預金の金利もそうです。外国為替も2国間の金利差で理論上は決定されますし、株価も金利の影響を受けます。さらには、先物、オプションといったデリバティブ商品も必ず金利の影響を受けます。
もちろん住宅ローンの金利も影響を受けます。
では、住宅ローンの金利は、どのように決まるのでしょうか?
住宅ローンの代表格である、フラット35を例にとり、説明していきましょう。
フラット35は、住宅金融支援機構が幅を持って決定し、全国の取扱い金融機関約330社がその中で個別に決定します。
ということは、取扱い金融機関によって金利に差があるのでしょうか? そうです。理屈上はあるのです。しかし、実態はどの金融機関も住宅金融支援機構が提示した最低金利を採用しますので、結果的にどの金融機関もほぼ同じになります。
例えば、最新の11月の金利で見てみましょう。
住宅金融支援機構
返済期間21年以上35年以下 融資率9割以下
1.03~1.58%
ARUHI
1.03%
全宅住宅ローン
1.03%
みずほ銀行
1.03%
このようにほとんどすべての銀行は、同じ金利になります。
フラット35の基準となる金利
では、機構が決定する金利は、何を基準にしているのでしょうか。
それは「10年物長期国債金利」に連動して決まります。
例えば、最近のフラット35の金利と長期国債10年物の月末の金利を比べてみましょう。
10年物国債
|
フラット35金利
|
|
2016/10
|
▲0.05
|
1.06
|
2016/9
|
▲0.085
|
1.02
|
2016/8
|
▲0.07
|
0.90
|
2016/7
|
▲1.95
|
0.93
|
2016/6
|
▲0.23
|
1.10
|
各月末日のレートを表示
この表を見ていただければわかる通り、9月20日21日に開催されました日銀政策決会合により、国債金利を0%前後に誘導するといった決定がなされたことにより、国債金利が上昇し、それに伴い、フラット35の金利も上昇していることがわかります。
では、トランプ氏が次期大統領になってからの国債の金利の動きと今後の住宅ローンの予想については、次回でお話してまいります。